国内2600社以上の口座情報を取得

フィンテック産業として多くのベンチャー企業が誕生しているが、そのなかでマネーツリー(東京都渋谷区、代表取締役・ポール・チャップマン氏)は「データアグリゲーション」技術を軸に、存在感を示している。

ポール・チャップマンMoneytree社長

データアグリゲーションとは、レポートや分析のため、多種多様なソースからデータを収集し、そのすべてを共通のデータリポジトリにまとめること。フィンテックでは、複数の銀行や証券会社などの口座に対して、IDやパスワードをあらかじめ登録し、一度の認証で残高や振り込み履歴などの情報を一括して参照できるサービスのことだ。

マネーツリーの法人向け主要製品である「MT LINK」は2015年から提供。すでに弥生、TKCなどの大手会計会社、メガバンクではみずほ銀行など計15社と連携している。直近(2016年10月4日)ではセールスフォース・ドットコムの富裕層向けの資産運用アドバイスサービスである「Financial Services Cloud」と連携。「MT LINK」は国内約2600社以上の金融機関口座(個人、法人)、クレジットカード、電子マネー、ポイントカードのデータを1本のAPIにまとめ、既存のシステムとシームレスに接続している。対応は3大メガバンクのほか、84の地方銀行、125の全国信用金庫。

また、IBMのPaaS(ネットを介してアプリケーションが動作するプラットフォームを提供するサービス)である「Bluemix」に初の公式ファイナンスAPIとして連携している。地方銀行を中心にさまざまなフィンテック・サービスの登場が期待されているが、「MT LINK」はそのコア技術となる。