東大生は親の「何を見て」育ったのか?

「(親が)愚痴を言わない」
「(親は)怒らない」
……これが、東大生が東大生になった最大の理由だったのか。

発売されたばかりの『プレジデントFamily 2016秋』(プレジデント社)の大特集は、「発見! 伸びる子の共通点 東大生174人の小学生時代」だ。現役東大生(大学院生含む)が育った家庭で「これだけは大事にしていた」というルールや習慣を、親子の写真付き(自宅内外)で紹介するコーナーは、どこか覗き見感覚で読むことができて楽しい。

プレジデントFamily 2016年秋号「東大生174人の小学生時代 何かに打ち込んでいた子が96%!」

裕福な家庭もあれば、庶民的な家庭もある。東大卒の父もいれば、専門学校卒の父もいる。お嬢さん育ちの母もいれば、星一徹モードの高卒の母もいる。子供の育ちや家庭環境はそれぞれであり、親の考え方もばらばらだ。

「これが、子供を東大生に育てる最良の方法だ」

と、結論付けられるような「法則」を誌面から見つけ出すことは残念ながらできない。しかし、思わず読み込んでしまうのは、174人の現役東大生から聞き取り調査したアンケートの内容だ。その"行間"からは、見習うべき賢い子育てのヒントがにじみ出てくる。

質問は、例えば……。
Q:小学生時代に何かに打ち込んだか?
Q:どんなことに打ち込んだか?

「楽器を吹きすぎて唇から出血」「学校の図書館の本を全部読破」「レゴブロックに100万円以上」……といったエピソード付き打ち込み体験の回答のハンパなさには圧倒されてしまうし、同時にちょっと笑ってしまう。のめり込み方がちょっと“異常”なのだ。そして、それを下支えする親の言動も面白い。

そうした質問への回答などを含めたアンケート結果の分析レポートは、どうか同誌を手にとってお読みいただきたいが、ここでは特集ページ数の関係で掲載が見送られた質問項目に注目してみたい。