自分の価値を高めるスキルの組み合わせを考える

――まさに、勉強で人生を切り開いてきたわけですね。仕事以外の勉強をしたのはなぜですか?

【ジェイソン】とにかく出世したかったんです。若いころの僕は、もっとお金欲しい、もっと名誉欲しい、もっと力欲しい、もっと権力が欲しい……それだけです(笑)。社長になることしか考えていなかった。そしてそのためには、自分の仕事のスキルだけを高めるよりも、仕事以外の勉強をした方が早い。そう考えたからです。

 
――その勉強の成果を、どう生かしてこられたのでしょうか。

【ジェイソン】最初の会社(GEヘルスケア)に入社して3年間ぐらいは職能が一番下の等級でした。仕事をしながら勉強して修士号を取ったら、等級がようやく1つ上がりました。でも僕は修士号によって自分の価値がすごく上がったことをわかっていたから、自分の価値をより高く評価してくれる会社を探して、転職して自分の給料をかなり上げましたね。そこで2年働いている間にまた自分で勉強して自分の価値を高め、自分の能力を全部使える会社を見つけて交渉して、転職しました。そして、日本支社長として日本に来た。こうやって数段跳びで給料を上げてきました。

――日本語能力検定もその一つだった?

【ジェイソン】周りと区別するためです。なかなかないスキルの組み合わせを持っていれば、必要としている会社は、すごいお金を出すからね。僕は社長を目指していたので、周りとどう区別できるのかを考えながら何を勉強したらいいかを考えていた。周りに僕と同じコンピューターサイエンスの修士号を持っている人はけっこういたけど、その修士号と日本語能力検定1級の両方を持っているのは僕だけ。日本進出を考えていたIT企業が、僕を高く評価したのは自然です。