2008年10月8日(水)

人事部の証言「同じ年齢で年収は2倍違う」

ここまできた!成果主義人事による苛烈な処遇の差

PRESIDENT 2007年5月14日号

著者
溝上 憲文 みぞうえ・のりふみ
ジャーナリスト

溝上 憲文1958年鹿児島県生まれ。ジャーナリスト。明治大学政治経済学部政治学科卒。月刊誌、週刊誌記者などを経て、独立。新聞、雑誌などで経営、人事、雇用、賃金、年金問題を中心テーマとして活躍。『非情の常時リストラ』(文春新書)で2013年度日本労働ペンクラブ賞受賞。主な著書に『隣りの成果主義』『超・学歴社会』『「いらない社員」はこう決まる』『「日本一の村」を超優良会社に変えた男』『マタニティハラスメント』『辞めたくても、辞められない!』『2016年 残業代がゼロになる』など。近著に『人事部はここを見ている!』(プレジデント社刊)がある。

執筆記事一覧

ジャーナリスト 溝上憲文=取材・構成
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「(同期の間でも)すでに2倍ぐらいの格差がついている」――。多くの企業に成果主義が急速に浸透している。2倍の給料を獲得する社員はいったい他の社員と何が違うのか。有力人事部が、サラリーマンが知らない評価の裏側や、今、現場で起こっている驚くべき給料格差の実態を語った。

基礎ができたうえでリスク取れる人を評価

【電機】給与が上がるには評価が高く、なおかつ昇進の階段を上っていく必要があるが、昔と違って今は誰でも昇進できる時代じゃない。実際はどういう人材が評価されるのか。

【流通】優秀な人のイメージというのは、勉強もでき、きっちりと細かいところまで目が行き届いて仕事の漏れもなく遂行できるタイプということになるが、これは入社10年から15年までの若い時期に求められる能力だ。その後はさらに難易度の高い仕事をクリアし、20年、25年の間に経験を積んで成長していけるか。ベンチャーは別にしても大手企業ではこの20~25年の間に歴然とした差が出てくる。やはり部長にまで昇進するタイプに共通するのは、自分で問題を発見し、それを発信し、自分で解決することができるかできないかだね。上からの指示に常に100点の行動を取り続けることは15年目選手ぐらいまでは大事。しかし、そこから先は独自の情報収集に基づいた自分なりの勝算なり目論見を立てて自分でこれをやるぞと決め、過去のやり方を大きく変革するぐらいの勇気を持って、チャレンジしていく精神の持ち主じゃないと上には上がれない時代だ。

【IT】そう。よくひらめきなんていうけど、芸術家じゃないから、そういうものはなかなか磨くことはできないし、ビジネスマンの発想にとって重要な要素は日頃の情報量、そして興味の持ち方だ。ここをちょっと工夫すればいいし、後は本人の努力と経験、意識の持ち方だ。

【流通】基礎的な能力はもちろん、そのうえで勇気を持ってチャレンジする。ここで結果を出せる人と出せない人では評価が異なってくる。

【IT】うちの場合、昇進というか給与制度は役割の大きさに基づいたグレード(等級)のアップダウンによって給与が変化する仕組みだ。役割を拡大する基準を2つ設定しており、1つは大きな役割・ポストに任用されること。もう1つは本人の力量で現在の仕事や事業を変革し、自ら役割を拡大し、高いグレードを勝ち取ることだ。つまり本人のやり方しだいで役割を大きくしたり小さくする。とくに後者の場合、たとえば企画や研究・開発の仕事に携わっている人であれば、自らの仕事に対するこだわりを持ち、大胆な発想で個人の役割を超えたところで組織を大きくしていく人もいる。こういう人は“地頭”のよさも含めた仕事に対する自発的な熱意を持っている人が多いね。



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