「(同期の間でも)すでに2倍ぐらいの格差がついている」――。多くの企業に成果主義が急速に浸透している。2倍の給料を獲得する社員はいったい他の社員と何が違うのか。有力人事部が、サラリーマンが知らない評価の裏側や、今、現場で起こっている驚くべき給料格差の実態を語った。

基礎ができたうえでリスク取れる人を評価

【電機】給与が上がるには評価が高く、なおかつ昇進の階段を上っていく必要があるが、昔と違って今は誰でも昇進できる時代じゃない。実際はどういう人材が評価されるのか。

【流通】優秀な人のイメージというのは、勉強もでき、きっちりと細かいところまで目が行き届いて仕事の漏れもなく遂行できるタイプということになるが、これは入社10年から15年までの若い時期に求められる能力だ。その後はさらに難易度の高い仕事をクリアし、20年、25年の間に経験を積んで成長していけるか。ベンチャーは別にしても大手企業ではこの20~25年の間に歴然とした差が出てくる。やはり部長にまで昇進するタイプに共通するのは、自分で問題を発見し、それを発信し、自分で解決することができるかできないかだね。上からの指示に常に100点の行動を取り続けることは15年目選手ぐらいまでは大事。しかし、そこから先は独自の情報収集に基づいた自分なりの勝算なり目論見を立てて自分でこれをやるぞと決め、過去のやり方を大きく変革するぐらいの勇気を持って、チャレンジしていく精神の持ち主じゃないと上には上がれない時代だ。