新都知事「拒絶」貫く都議会自民党

東京都知事選で当選した小池百合子氏が8月2日、初登庁した。車から降り立った小池氏は白いパンツスーツ姿で、胸元から見えるインナーの青がアクセントになっている。

「緑は戦闘服でございますので、戦いが終わったということで、ブルーオーシャンでいきたいと思っています」

執務室の椅子に座った小池新知事はにこやかにこう述べて、“百合子グリーン”を封印したことを語った。一方で青色は“大洋”のみならず、“平和”や“信頼”も意味し、まさに小池氏が知事として都政に賭ける意気込みが体現された色だといえる。

だが小池氏の前途にあるのは、必ずしも“平和な青い海”というわけではないようだ。初日からさっそく、痛烈な洗礼が待っていた。

初登庁の小池氏を玄関で出迎えたのは、副知事以下一般職員と、知事選で一貫して小池氏を支持し続けた「かがやけtokyo」の3人の都議たちだった。都庁の事務方はこの登庁セレモニーについて、あらかじめ各会派に通知していたが、玄関には3人以外の都議が現れることはなかった。

「我々は事前に呼びかけをしています。舛添要一知事の時も猪瀬直樹知事の時も、都議会自民党や都議会公明党などから10人から15名人ど参加されました」

都庁の担当職員は、問い合わせに対してこう答えている。

セレモニーへの参加拒否は、こればかりではない。この後、小池氏は議会の各会派に挨拶に出向いたが、最大会派である都議会自民党で小池氏を出迎えたのは、高橋信博総務会長ただひとりだった。小池氏が手を差し伸べると握手に応じるものの、高橋氏の口からは「おめでとうございます」など祝意を表す言葉はついに出てこなかった。

「幹事長も政調会長も不在で、たまたま私がいたので(対応した)。それ以上は何もない」

ひとりで新知事に対応した理由をこのように語った高橋氏は、小池氏がまだ都議会自民党の控室にいて退室していないにもかかわらず、そそくさと奥に引っ込んでいる。

このように初日から新知事に対して拒絶の態度を貫く都議会自民党だが、その姿勢がいつまで続けられるかは疑問だ。というのも、そもそも小池氏がどこの推薦もなく都知事選を闘わなくてはいけなかったのは、自民党東京都連の内田茂幹事長との確執があったからだが、その内田氏に世間の批判が集まっている。