すぐに働かない場合は
2カ月以内に手続きすれば1年後送りできる

定年退職後、働く意思はあるが40年近く働いた身としてはちょっと休みたい――なんて考える人は多いはずだ。雇用保険そのものはすぐにもらいたいが、失業給付の申請をすれば、当然ながら求職活動をしなければならない。仕事が決まってしまうのもちょっと困る、そんな人も当然いるはずだ。

そこで、お勧めしたいのが雇用保険の「受給期間延長」の手続きだ。失業給付の受給期間は、原則として退職の翌日から1年間で、受給期間が終了してしまうと、仮に失業給付の所定給付日数が余っている状態であっても、途中で打ち切りになってしまう。

受給期間延長というのは、「60歳以上で定年退職した人」あるいは「60歳以上の定年後の勤務延長が終了して退職する人」に限った特典だが、退職日の翌日から2カ月以内に、ハローワークに出向いて申請すればいい。

延長期間は最長1年間。合計2年間の受給期間延長ができることになる。なお、申請には次のような書類が必要だ。

(1)離職票1、離職票2
  (2)印鑑
  (3)受給資格延長申請書

失業給付の受給を後送りできる
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失業給付の受給を後送りできる

定年退職直後は、あいさつ回りなどであっという間に2カ月が過ぎてしまうと考えたほうがいい。定年退職直後にしなければならない項目の中に必ずリストアップしておこう。ちなみに、離職票は会社からもらう。申請書はハローワークで入手できる。代理人による申請や郵送での申請も可能だ。代理人に頼むときは委任状が必要になる。

病気やケガ、看護といった理由で引き続き30日以上働けなくなった場合も、受給資格を延長できるので覚えておこう。こちらはトータルで3年間延長可能だ。手続きは定年退職と同じだが、働けなくなった場合の延長理由を証明する書類などが必要になる。病院の診断書といったものだが、詳細はハローワークに尋ねてほしい。

ところで、失業給付はいったいいくらもらえるのだろうか。その額によって定年退職後、遊んでいられる期間が決まるという人も多いはずだ。雇用保険とひと口に言っても、実は「教育訓練給付金」や「高年齢雇用継続基本給付金」など様々な給付があるが、我々が一般的に考えている失業給付とは「基本手当」と呼ばれているものだ。

基本手当は、まず離職直前の6カ月間に支払われた賃金の総額(ボーナスは含まない)を180日で割って「賃金日額」を算出する。この賃金日額に、「一定率」を掛けて算出したのが「基本手当日額」だ。一定率とは年齢や賃金日額によって決められ45~80%。給付日数は、最大で150日間(被保険者期間が20年以上の場合)だ。

たとえば、60歳以上65歳未満で賃金日額が上限額の1万4980円だった場合、一定率は45%で基本手当日額は6741円となる。定年退職直前の半年間の賃金によってもらえる金額は大きく変わってくるわけだ(ただし、支給額に上限が定められている)。

最近は、失業給付の金額も大きく減額されているが、リタイアする場合のタイミングは、賃金、雇用保険、年金をトータルで考えて決めることだ。