2016年3月26日(土)

潮目が変わった自動車業界、今後はスズキに注目

PRESIDENT 2016年3月14日号

著者
高田 悟 たかだ・さとる
ティー・アイ・ダヴリュ シニアアナリスト

高田 悟

ティー・アイ・ダヴリュ シニアアナリスト 高田 悟 構成=衣谷 康

自動車業界は、ここ数年好業績に沸いていた。要因は大きく3つ。海外では北米、中国市場が非常に好調だったこと。縮小傾向にある国内市場も、消費増税の駆け込み需要やエコカー減税などの優遇制度策などが下支えとなったこと。最後の1つは円安効果だ。

しかし、2016年に入り潮目が変わった。大きく伸びていた中国市場は、足元の数字こそ悪くはないが、先行きに不透明感が出てきた。北米市場も利上げによってローン金利が上がれば、悪影響は避けられない。国内も、17年に消費増税があるとはいえ、前回の増税から間も短く、駆け込み需要はさほど期待できない。為替は、急激に円高に振れている。

対応する各社も大きく動きにくい状況にある。トヨタも販売台数はこれ以上伸ばすことは容易ではなく、TNGA(トヨタ・ニュー・グローバル・アーキテクチャー)などによる開発の効率化やコストダウンで商品力を高め、収益構造をさらに改善しようとしている。その他メーカーも、名前こそ違うが、取り組みとしては近いものを進めている。

その中で、私が注目しているのはスズキだ。ご存知の通り、スズキはインド市場で4割のシェアを誇る。インドは現状、販売台数340万台ほどの市場で、世界トップの中国市場(2450万台)、2位の米国市場(1740万台)には遠く及ばない。

しかし、5年後の21年には460万台、26年には660万台と急激に伸びる見通しで、現状500万台ほどの日本市場を超える。その中でシェア4割をキープできれば、インドだけで260万台の販売台数となる。

今年1月下旬には、トヨタとの提携話が新聞紙面を賑わせた。事の真偽は定かでないが、インド市場で低迷するトヨタにとっても、独フォルクスワーゲンと資本提携を解消したスズキにとっても、シナジー効果は大きいと思われる。

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