2015年12月14日(月)

『下町ロケット』『半沢直樹』の悪役=「現実」の銀行で出世する人、なのか

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PRESIDENT 2016年1月4日号

著者
溝上 憲文 みぞうえ・のりふみ
ジャーナリスト

溝上 憲文1958年鹿児島県生まれ。ジャーナリスト。明治大学政治経済学部政治学科卒。月刊誌、週刊誌記者などを経て、独立。新聞、雑誌などで経営、人事、雇用、賃金、年金問題を中心テーマとして活躍。『非情の常時リストラ』(文春新書)で2013年度日本労働ペンクラブ賞受賞。主な著書に『隣りの成果主義』『超・学歴社会』『「いらない社員」はこう決まる』『「日本一の村」を超優良会社に変えた男』『マタニティハラスメント』『辞めたくても、辞められない!』『2016年 残業代がゼロになる』など。近著に『人事部はここを見ている!』(プレジデント社刊)がある。

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溝上憲文=文
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評価は減点主義目立ったらアウト!

『半沢直樹』に続いて池井戸潤原作のテレビドラマ『下町ロケット』が人気だ。『半沢直樹』では銀行内の派閥闘争を背景に、上司の権威主義や面従腹背する部下の姿など上意下達型の組織風土の嫌らしさが描かれたが、『下町ロケット』にもメインバンクとして「白水銀行」が登場。帝国重工、日本クラインなど、ほかにも主人公の町工場・佃製作所を苦しめる発注元は次々登場したが、やはり共通の悪役は銀行マンである。常に悪役にされることを現実の銀行マンはどう感じているのか。やはりあれはドラマ上の演出なのか。

平均視聴率は20.4%(関東地区)と今年の民放連ドラ内トップ。※写真はTBSホームページより

ところでこの白水銀行。モデルは旧住友銀行(三井住友銀行)だという指摘もある。三井住友銀行の行員は「住友グループの中核会社の社長で構成する『白水会』という社長会から名前を付けたのではないか。また、『下町ロケット』では、佃製作所に銀行担当者が『実用性のない製品はガラクタと同じだ』と言って融資を断るシーンがあるが、1950年の不況の際に同じようなことがあった。倒産寸前のトヨタ自動車が主力銀行に緊急融資を要請したのだが、住友銀行だけが『機屋に貸せても鍛冶屋には貸せない』と融資を断り、貸出金の回収に走って取引を打ち切ったらしい」と語る。銀行の冷酷さをうかがわせるエピソードだ。

そんな銀行で出世していく人はどんなタイプなのだろうか。大手銀行の元人事部長は「半沢直樹のような正義の味方は出世しない」と言い切る。

「彼は部下思いのリーダーシップを備えた人物で、困難な課題を自ら切り開いていく突破力もすごい。総合商社や証券会社では出世するタイプだが、銀行では難しいだろう」

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