2015年5月19日(火)

熟年離婚で「損」するケース、「得」するケース

知って安心、幸せを呼び込む全課題

PRESIDENT 2014年1月13日号

弁護士法人柴田・中川法律特許事務所 弁護士 中川彩子 構成=斎藤栄一郎
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“独立採算制”の夫婦が注意すべきこと

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離婚率は4年で4倍に!

熟年離婚は、通常、子供が成人している場合が多いため、親権や養育費の問題が絡むことは少ない。一番の争点は財産分与です。離婚に際して、浮気など非があるほうの有責配偶者は慰謝料を払うことになりますが、財産分与は非のあるなしは関係なく折半が基本。婚姻期間中に築いた家庭の財産は、妻が専業主婦であろうと、半分は妻の内助の功で築かれたと見なされるからです。

例えば住宅。熟年ともなれば、住宅ローンを完済している夫婦も多い。夫名義で家を購入、ローンも夫名義で返済し終わったとしても、半分は妻の権利。売却益を分け合うとか、妻が家をもらう代わりに相当額を夫に払うなどの解決策があります。

借金も財産分与の対象です。住宅ローン完済前であれば、ローン残額の債務を2人で分け合うことになります。ただし、夫単独の名義でローンを組んでいる場合、離婚で折半が決まっても、銀行から見れば、返済義務者は夫。万一、返済が滞ったら、裁判を起こされるのも、強制執行されるのも名義人の夫です。

意外な盲点は退職金です。定年前であっても財産分与の対象になれば婚姻期間に応じて分与します。ポイントは、将来の支給が確実かどうか。公務員や大企業勤務で定年が近い場合は支給がほぼ確実で、支給額も計算できます。しかしながら、民間企業で40代前半だと退職金は現実的ではないとの理由で財産分与の対象になりにくい。また、将来の退職金の分与が確定しても、解雇や倒産などが発生した場合、事情変更による「調停」を申し立てるなどして分与条件を変えることは可能です。

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