2015年4月24日(金)

同じ仕事でも賃金3割以上カット「正規vs.非正規格差」は永久に不滅ですか

人事の目で読み解く企業ニュース【23】

PRESIDENT Online スペシャル

著者
溝上 憲文 みぞうえ・のりふみ
ジャーナリスト

溝上 憲文1958年鹿児島県生まれ。ジャーナリスト。明治大学政治経済学部政治学科卒。月刊誌、週刊誌記者などを経て、独立。新聞、雑誌などで経営、人事、雇用、賃金、年金問題を中心テーマとして活躍。『非情の常時リストラ』(文春新書)で2013年度日本労働ペンクラブ賞受賞。主な著書に『隣りの成果主義』『超・学歴社会』『「いらない社員」はこう決まる』『「日本一の村」を超優良会社に変えた男』『マタニティハラスメント』『辞めたくても、辞められない!』『2016年 残業代がゼロになる』など。近著に『人事部はここを見ている!』(プレジデント社刊)がある。

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溝上憲文=文
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賃上げ率は、正社員>非正規

今年の春闘は正社員のベア拡大が注目を集めているが、その一方で契約社員やパートなどの非正規社員の賃上げも相次いだ。

トヨタ自動車の非正規の賃上げ額は過去最高の月額6000円。KDDIも一律4800円の賃上げを達成した。

非正規パートが多い流通・飲食・サービス業の労働組合を多く抱える産業別労組のUAゼンセン同盟の発表(4月10日)では、平均時給引き上げ額は18.4円。引き上げ率は2.00%だ。昨年に比べて2倍以上のアップだという。

だが、非正規の賃上げの要因は、安倍首相の賃上げ要請や労働組合の力量というより、人手不足にある。

小売・飲食業を中心に人手不足が顕在化。欠員が発生し、営業基盤が揺らいでいる企業もある。時給を上げて人材を確保しなければ企業の存続すら危ぶまれる状況になっている。そのため、時給をアップさせた。

しかし、だからといって正社員との格差が縮小したわけではない。UAゼンセン同盟が調査した今春闘の正社員の賃上げ額の平均は6290円。アップ率は2.33%。なんのことはない。正社員も同じ比率でアップしており、非正規との格差は維持されたままだ。

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