2015年4月23日(木)

職務発明 -「日本の研究者は会社の奴隷」は本当か?

PRESIDENT 2014年12月1日号

著者
村上 敬 むらかみ・けい
ジャーナリスト

1971年、大阪府生まれ。東京外国語大学外国語学部(マレーシア語科)卒。ビジネス誌・エンタープライズIT誌を中心に、自己啓発から経営論まで、幅広い分野で活躍中。

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文=ジャーナリスト 村上敬 答えていただいた人=弁護士 竹田稔 図版作成=ライヴアート
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職務で行った発明はいったい誰のものか

いま職務発明制度が揺れている。職務発明とは、従業員が会社で仕事として行う発明のこと。先ごろ中村修二氏がノーベル物理学賞を受賞して話題になったが、その青色LEDの実用技術は中村氏がメーカーに勤務していた時代の職務発明だった。大発明にもかかわらず低い待遇に、海外の研究者から「スレイヴ(奴隷)ナカムラだ」と言われたとの逸話がある。

従業員が職務で発明した場合、現状では、特許を受ける権利は発明者個人にある。発明者は企業に利益をもたらした見返りとして、契約や勤務規則に基づき、企業から対価を得るケースが一般的だ。

対価に納得できず、訴訟に発展することもある。中村氏も、2001年に相当の対価を求めて元勤務先を提訴。一審は相当対価を約604億円と算定して、被告企業に約200億円の支払いを命じた(控訴後、約8億円で和解)。

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