2015年3月18日(水)

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軽い風邪でも診察を受ける

1兆6759億円。

これは、2012年度のわが国の生活保護費のうち医療扶助として支出された金額である。人口約620万の千葉県の総予算が約1兆7000億円で、それに匹敵する額が生活保護受給者の医療費に使われている。

わが国で生活保護を受けている実人員は月平均で約213万人。その中の8割が医療扶助を受けており、その費用は、生活保護費全体の46.5%を占めている。

医療扶助は、福祉事務所から発行される医療券を持参して医療機関に行けば、自己負担なしで受診できる制度で、いわば「タダ」で医者に診てもらうことができる制度である。

ある薬局関係者は、「軽い風邪のときは、市販の風邪薬を飲む人が多いと思いますが、生活保護の人は薬局で市販薬を買うと自腹(生活扶助費から支出)ですが、病院に行けばタダ(医療扶助)で風邪薬をもらえるんですよ」と語る。

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1人当たり年79万円の医療費!

生活保護受給者1人当たりの医療費(年間約79万円)は、一般国民(約30万円)と比較して2.6倍超と高い。もともと生活保護は病気や高齢などで働くことができない人も対象にしているため、医療費が高くなるのは当然といえるが、人間の心理として「無料」ならば少し調子が悪いだけでも「病院に行こう」と思うのが自然である。

逆に、生活保護受給者の生活水準に達していない多くの国民年金生活者が、病気なのにお金がかかる病院へは行けない実態は深刻さを増している。

そうした中、厚生労働省は医療扶助の適正化を進めようと各種の取り組みを進めている。

その1つが、ジェネリック(後発医薬品)の使用促進。生活保護法改正により13年度からジェネリックの使用が原則化された。14年の数値では、医療全体でのジェネリックの数量シェアが54.5%であるのに対して、医療扶助が61%であり、生活保護での活用が示されている。

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