世界はこれから氷河期へ!?

宇宙誕生からの歴史を描いた「137億年の物語」(クリストファー・ロイド著、2012年9月1日文藝春秋社刊)によると、地球が誕生してから今日まで46億年が経っているそうだ。我々と同じ人類に繋がる生命体であるホモサピエンスが生まれたのが数十万年前、人類としての活動を何がしかの記録と共に振り返ることができるのはせいぜい紀元前5000年くらいからだ。つまり、人類の歴史は長いようだが、たかだか7000年程度のことに過ぎない。

この7000年という時間は、137億年あるいは46億年を「一日24時間」として考えると、深夜00:00から始まった一日がもう一度深夜を迎え、ミッドナイト24時直前の1秒程度のことだそうだ。人類の歴史はたった1秒……。

このように時間軸を広げて考えると、物事はまったく違うものに見えてくる。だから地質専門家の中には、現代はまた氷河期に向かっているのだ、と主張する人がいる。中には「地球はこれからどんどん寒くなるのだから、温暖化なんて騒ぐほどの問題ではないよ」という人さえいる。

だが、待てよ。

我々が生きられるのはせいぜい数十年、孫子の代まで心配してもせいぜい百数十年のことだ。とすれば十万年単位で巡ってくる氷河期は関係ないが、地球温暖化は大いに関係がある。

というわけで、今回は地球温暖化とエネルギーのお話。

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温室効果の仕組み

地球が温暖化されるとどうなるのだろうか? 気象庁のHPでは次のように説明されている。

地球の気温が上昇することにより、熱波などの異常高温、大雨、干ばつなどが発生する。その結果、水資源や農作物に悪影響が出る、さらに自然生態系が破壊されてしまうのだそうだ。つまり、現在の豊かな生活環境を維持できなくなるという訳だ。気象庁のHPには記載されていないが、海面上昇による問題も忘れてはならないだろう。

地球が温暖化している分かりやすい例として、最近になって北極海の氷が溶け、航海可能な時期が長くなっていることが挙げられる。ロシア国営原子力公社によると、外国商船で初めて北極海を航行したのは、2009年8月の韓国貨物船だそうだ。氷海に入ってからロシアの原子力砕氷船に先導して貰い、韓国からヤマル半島まで資機材を運び、その後ナイジェリアへと西に向けて航行して行った由。同公社の資料によると、その後北極海の航行量は増大し、2010年には約10万トン、11年には約80万トン、12年には約125万トンとなっている。