温暖化対策、待ったなし

IPCCはこのほどコペンハーゲンで第40回総会を開催し、11月2日、7年ぶりに第5次統合報告書を発表した。これは昨年秋以来、地球温暖化の「科学的評価」。「影響」および「対策」について3つの作業部会が発表した各報告書を横断的に取りまとめたものである。

この統合報告書は、これまで言われて来たことを改めて強く確認している。要点は次の通りだ。

・近年のCO2排出量は歴史上最多。
・気候温暖化は疑いようのない科学的事実。
・原因は、経済成長と人口増。
・産業革命(1870年)以前より地球の気温上昇を2℃以内に押さえるためには、2050年にはCO2の排出量を40~50%削減し、21世紀末には「ほぼゼロ」にすることが必要。

1870年の産業革命以降の気温上昇を2℃以内に抑えるため許容されるCO2排出量は2兆9000億トンだが、我々は既に1兆9000億トンを排出済みである。従って、残された許容量は1兆トン。何の対策も講ぜず、現状維持(Business as usual case)のままでは、30年以内に排出してしまうと見込まれる。

2010年に国際合意したこの「2℃未満」を実現するには、CCS=Carbon dioxide Capture and Storage(二酸化炭素回収貯留)等の方策が実用化出来なければ、電源燃料として化石燃料の使用を止め、原子力や再生可能エネルギーに頼らざるを得ない、という訳だ。IPCCは、いま行わなければ将来の対応必要コストは計算出来ないくらいに高くなる、いつやるの? 今でしょ! と言っている。