「貯める方程式」は意外と難解
ファイナンシャル・プランナーとして、家計診断を始めて13年になります。いろんな方の家計簿をみていると、お金を上手に貯められる人と貯められない人には共通点があることが分かってきました。
きちんと貯められる人は、みな「貯める方程式」を実践しています。
「貯める方程式」とは、【収入-貯蓄=支出】のこと。
収入が入ってきたら、先に貯蓄を差し引いて、残りのお金でやりくりします。つまり、「意識して」お金を使っているわけです。私の感覚では、貯められる人の9割以上はこの方程式が成り立っている印象です。
一方、貯められない人はどうか。ほとんどがその逆。つまり、「余ったら貯める派」です。
式でいうと、【収入-支出=貯蓄】。
収入が入ってくると、必要な分だけ使い、残りを貯蓄に回す、ということ。似て非なるこの2つの方程式は、貯められる人と貯められない人を大きく二分しています。
では、「貯める方程式」を家計に取り入れれば、誰でも貯められる人になれるのでしょうか。
残念ながら答えはNOです。この方程式を実践しても、いっこうに貯蓄ができない人を何人も見てきました。
「貯める方程式」を実践すれば、確かにいったんは貯まります。
ところが、【収入-貯蓄】で出た支出に回せる額ではやりくりできず、結局、別の貯蓄を取り崩して生活費を捻出するわけです。これでは貯蓄が横滑りしているだけで、実質お金は貯まっていません。
先取りする貯蓄額が多すぎる、という可能性もありますが、それよりも大きな要因は、お金の「使い方」が下手だということだと思われます。