2014年9月30日(火)

人事のプロが分析「再就職成功」の3条件

PRESIDENT 2013年3月4日号

著者
溝上 憲文 みぞうえ・のりふみ
ジャーナリスト

溝上 憲文1958年鹿児島県生まれ。ジャーナリスト。明治大学政治経済学部政治学科卒。月刊誌、週刊誌記者などを経て、独立。新聞、雑誌などで経営、人事、雇用、賃金、年金問題を中心テーマとして活躍。『非情の常時リストラ』(文春新書)で2013年度日本労働ペンクラブ賞受賞。主な著書に『隣りの成果主義』『超・学歴社会』『「いらない社員」はこう決まる』『「日本一の村」を超優良会社に変えた男』『マタニティハラスメント』『辞めたくても、辞められない!』『2016年 残業代がゼロになる』など。近著に『人事部はここを見ている!』(プレジデント社刊)がある。

執筆記事一覧

溝上憲文=文 プレジデント編集部=撮影
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これまでの経験を活かして、働き続けることはできるか──。人事を知悉する2人の助言から、雇用市場の実態が見えてきた。

数カ月の遅れで「長期失業者」になる

35歳が「転職適齢期」といわれるように、中高年の再就職は依然として厳しい状況にある。だが、再就職は「不可能」ではない。問題は「いくら欲しいのか」という点だ。

(右)パソナキャリアカンパニープレジデント 渡辺 尚氏
(左)キャリアカウンセラー 中村卓夫氏

キャリアカウンセラーの中村卓夫氏は「大企業から中小企業に移る場合には大幅な年収減を覚悟しなくてはいけませんが、退職時の年収が1000万円ならば、500万円での求人はかなりあります」と語る。

また、再就職支援大手のパソナキャリアカンパニーの渡辺尚プレジデントは「当社がお世話をしている方は40代、50代が80%を占めています。しっかりと再就職活動をしていただければ、定年後も再就職は十分に可能です」と話す。

では再就職を成功に導くにはどうすればいいのか。渡辺氏は「逆算して準備を進めることだ」という。

「すぐに活動を始めることが重要です。退職後、2週間以内には職務経歴書を書き上げたいですね。失業手当をもらって、しばらくはのんびりしたいと思うかもしれませんが、そういう人は長期失業者の予備軍になりかねない。40代、50代の人は数カ月の『休み』が命取りになります。能力が落ちるうえに、多くの企業は職務経歴での空白期間を嫌うからです。たとえば活動期間を3カ月と決め、入社日を4月1日とした場合には、3月15日までの内定が目安になります。そうやって逆算してスケジュールを決めていくのです」

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転職・再就職での3つの心構え

渡辺氏は、再就職先を選ぶポイントとして、(1)できること、(2)やりたいこと、(3)労働マーケット、(4)制約条件(年収など)──の4点に分けて検討するべきだという。

「『年収は800万円は欲しい』とか『転勤はしたくない』といった制約条件について、それを満たす仕事が労働マーケットにあるのかを客観的に判断することです。そのうえで、保有するスキルや経験、自分がやりたいことについて検討を重ねながら最適な転職先を選ぶことです」

もちろん企業が最も重視するのはスキルなどの専門性だ。中村氏は「自分の能力を過信するな」という。

「自分の専門性を過信している人が多い。これまで自分が発揮した実績が本物なのか、偽物なのか。あらためて顧みてください。たとえば勤務していた会社の看板やブランド、優秀な上司や部下のサポート、そういったものが自分の実績にどれぐらいの影響を及ぼしていたのか。一人になったときに、これまで通りの実力を発揮できるのでしょうか」

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