サイバーエージェントは7月末、ブログなどのコミュニティーサービス「Ameba(アメーバ)」事業の人員を1600人から800人に半減し、そのリソースを新しい成長領域に振り向ける構造改革を発表した。アメーバは元々PC向けだったが、数年前からスマホ対応を進めていた。それが軌道に乗り、これから収穫期というタイミングでの大ナタで、正直驚いた。

業績が悪いわけでもない。同社の2014年4~6月期の売上高は前年比34.8%増の512億円、営業利益は同2.5倍の40億円だった。7~9月期についても、藤田晋社長は「(営業利益は)過去最高益が狙える」と見込んでいる。

看板事業を縮小してまで取り組む成長領域とは、どんな事業なのか。音楽配信などいくつかあるが、注目は「ゲーム・コミュニティー以外のフルネイティブアプリ」だ。これは、実際の暮らしに根づいたサービスのことで、例えば米Uberのタクシーの配車サービスや、米Airbnbのハウスシェアサイト(空き部屋を貸し借りするサービス)など。ネットを使ってリアルビジネスの効率を上げ、合理化する、というイメージだ。

日本でも、グリーのホテル当日予約アプリなど、ツール系サービスの開発が進んでいる。ゲームなどで稼いできたITベンチャーは、この分野こそが次なるフロンティアと見ているのだろう。サイバーエージェントの構造改革は、そのなかでも最もドラスティックな動きといえる。

ただし、課題もある。ヒットすれば短期間で収益を上げられるゲームに対し、ツール系サービスは収益化まで時間がかかる。一度トップをとれば、安定的に稼げるが、そこに辿り着くまでには経営体力が必要だ。

だからこそサイバーエージェントは、稼げているうちに勝負に出たのだろう。藤田社長の独特の感性が働いた、というべきか。