「リーマンショックで、潰れかけた」。ホンダの社員はこう口を揃える。多額の赤字に陥ったわけではない。だが数字には表れない「危機感」が共有されていた。本田宗一郎と藤澤武夫という2人の創業者が、経営理念をめぐって議論を続けたように、いま現場にいる人間の仕事も、「ホンダらしさ」を問い直すことから始まった――。

(※第1回はこちら http://president.jp/articles/-/12711)

「好きなようにやれ。文句は言わせねぇ」

フィットやヴェゼルの外観デザインは、「エキサイティングHデザイン」と呼ばれる新しいコンセプトに基づいている。