授業で自治体向けのITシステムを構築

公立はこだて未来大学(北海道) 
就職率96.4%! 7割が首都圏へ。開学は2000年。校舎のコンセプトは「オープンスペース、オープンマインド」。講義室や教員の研究室の壁は透明で、中の様子が外からわかる。

「農家相手にツイッターの話をしても通じなかった、と学生が途方に暮れたこともあります」

こう話すのは、公立はこだて未来大学の就職委員会委員長・大場みち子教授。同大では3年生全員が1年間かけて参加する「システム情報科学実習」という科目がある。まず、教員がグループをつくりテーマを設定。そのテーマを教員が学生にプレゼンし、学生は参加テーマを決める。教員1人につき学生5人が目安だ。

2011年、大場教授のテーマは近隣自治体の公共施設予約システムの構築だった。参加した学生はツイッターを活用しようとして近隣住民にヒアリングしたところ、全く通じなかった。学生同士で通じるだけではダメ、と否でも応でも社会の厳しさを知ることになる。

施設予約システムの構築などは通常、IT企業が有償で請け負う話。だが、教育の一環なので代価は発生しない。

「いくらお金が発生しなくても、作業が遅い、相互理解がうまくいかないなどの理由で、学生は学外の人にも結構怒られます。こうした点も含め、社会人生活を先取りする体験ですね」(大場教授)

7月と12月に発表するほか、同じ内容を9月と2月に学外(札幌と東京)でも発表する。

「リーダーの学生が途中で交代することもある。それくらい実社会に近い」(大場教授)

このプロジェクトによる学習の成果は、就職実績にも反映されている。12年卒の就職率は希望者ベースで96.4%。

「学生は7割が北海道内出身です。しかし、就職先は7割が首都圏の企業です。大学でもサテライトオフィスを秋葉原に設置し支援しています」(高木幹彦・教務課学生支援・就職担当主査)