2014年4月9日(水)

定時帰りのやり手女とやる気だけ男。役立つのは

イキイキ働くための全課題

PRESIDENT 2013年1月14日号

著者
松本 晃 まつもと・あきら
カルビー 代表取締役会長兼CEO

松本 晃1947年、京都市生まれ。京都大学農学部修士課程修了。72年4月伊藤忠商事入社。医療機器販売の子会社を経て、93年ジョンソン・エンド・ジョンソン日本法人へ。同社の社長、最高顧問を歴任。2008年カルビー社外取締役に就任後、09年6月より現職。

カルビー会長兼CEO 松本 晃 構成=佐藤留美 撮影=的野弘路
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人生、「グリコ方式」で!

そんなの定時で帰る「やり手女」のほうが、役に立つに決まってます。そもそも会社が社員に求めているのは成果であって、長く働くことじゃありません。できるだけ長く働いてモノをつくれば、つくっただけ売れるなんて時代は高度成長期までのお話。今は、付加価値の高いモノを開発し、供給できる会社じゃないと、グローバル社会で勝てないのです。

会社一筋で仕事ばかりしている人から新しい知恵なんか出てくるわけがない。すると、会社にイノベーションも生まれない。だから、昼の1時でも2時でも、仕事が終われば、帰ればいいわけ。

早く帰れば、自分の家庭を大切にするし、勉強や趣味に時間が割けるので「個人生活」が充実する。するとそれが仕事に反映され、能力も上がる。「仕事か個人生活か」ではなく、両方を取る道を考えるのです。そうするとカルビーの競合相手のグリコじゃないけれど、「一粒で二度おいしい」。人生、「グリコ方式」が一番ですよ。

しかし、「“長き”をもって尊しとなす」考え方を変えるには時間がかかります。日本では、会社が社員の時間外労働に手当を払う義務がある。くれると言うなら貰うのが人情だから、社員はダラダラ働いて残業代を稼ぐ。悪しき習慣ですね。本来、給与は結果に対して支払われるもの。そんな制度に変えれば、皆さん残業なんかやめますよ。

事実、僕がジョンソン・エンド・ジョンソンの日本法人の社長だったとき、残業手当支給を廃止したら、誰も残業しなくなりました。しかも、かえってそのほうが、パフォーマンス(業績)が上がったのです。

カルビーにも、子育てと仕事の両立のために、4時に帰る「時短女性部長」がいます。カルビーは、短時間勤務でも、効率よく仕事して成果を出している人を積極的に評価するし、昇進させるのです。

しかし、僕がこうして「“結果”をもって尊しとなす」改革を行うことに対しては賛成意見ばかりではありません。保育園のお迎えのために早く帰る女性はけしからんとね。こういう人に考え方を変えてもらわないと、日本企業の女性活用は進まない。

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