声の大きさ、妻との関係、持ち物で男の将来がわかるものなのか。年間100人を超えるエグゼクティブの目利きをするカリスマヘッドハンターが解説する。

※第1回はこちら(http://president.jp/articles/-/12092)

調査概要/楽天リサーチの協力を得て、インターネットを通じて調査を実施。調査期間は2012年10月12~15日。課長職以上の女性300人より回答を得た。

性格――弱みを見せられる「心の余裕」と「愛嬌力」

図を拡大
「女性社員の評判」が出世に響く

出世できる男性は心に余裕があって打たれ強いという調査結果となった。逆に言えば、プライドとコンプレックスがないまぜになったややこしいタイプは出世しにくい。部下には「すごいだろ」と威張り、目上の人には「僕なんて」と卑屈になるようなタイプだ。普段は物静かなのに飲み屋で店員の態度にキレたりするのは典型例。客観的に自分を評価し、健全な自信を持つことができていない。

人の上に立つには愛嬌も欠かせない。周囲を「この人はこういうダメなところはあるけれど、神輿をかついでやろう」という気持ちにさせるには、致命傷ではない程度の失敗や弱みは平気で見せられるようなチャーミングさ、人間臭さも必要となる。調査結果では、出世するタイプの半数が「女房の尻にしかれている」などと思われている。実際はそうでもなく、彼らの「周囲から愛されるためのネタ」の一つにすぎないかもしれない。

図を拡大
エラくなる男の性格、ダメな男の性格

出世意欲についてはどうか。活躍の場を求めるという意味での出世意欲は重要だが、出世が目的化している人は伸びないケースが多い。ダメな人は、何になりたいのかという質問に平気で「部長になりたい」「起業家になりたい」などと言うが、これは本末転倒である。

最後に職場での人間関係の築き方について見ておこう。調査では女性社員に嫌われると出世が遠ざかるという結果になった。女性に嫌われる原因は様々だ。命令口調だったり、偏見に満ちていたり、共感能力に欠けていたり、身だしなみが悪かったり。一言でいうならば女性に対する配慮が足りないのだ。わかりやすいチェックポイントの一つは、自社の女子トイレの場所を知っているか否か。女性の来客があったときに、スムーズに女子トイレの場所も案内できないようでは、女性顧客の心をつかめないどころか、女性が多い組織のリーダーは務まらない。