2014年1月14日(火)

美輪明宏が見た「運のいい男の法則」

PRESIDENT 2014年2月3日号

大塚常好=構成 御堂義乘=撮影
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世の中の人は願い事が叶うように何かとご先祖さまや神さまを拝んだり、占い師に頼ったりします。わざわざ遠くのパワースポットを訪れることもあるようです。まあ、それも悪くないかもしれませんが、もっと確実で身近なパワースポットに気付くべきです。自分自身の微笑みが、それです。ぱあーっと場を明るくする笑顔を持つ人は、皆に「待たれる人」になります。

私が言うまでもありませんが、ビジネスの世界にはかつてのような寄らば大樹のような存在はなくなりました。一生、社員の面倒をみてくれる太っ腹な大企業はもうない。いかなる企業もいつ経営が傾いたり、合併・吸収したりするかもしれないリスクがあります。そんな環境で社員が生き抜くために必要なもの、それはいろいろなスキルや経験なのでしょうが、私は微笑みこそが武器になるのだと思います。

どの世界にも交渉事や権力争いといったシビアな駆け引きをしなければならない瞬間があります。その際、どっしり構え微笑みを浮かべた人は優れた人物に見えます。不思議と相手はその微笑みによって、威圧感のようなものを感じる。独特のオーラをまとっているので、たいそう手強い存在として映ることがしばしば起こるのです。

一方、例えば、就職活動で連続不採用になるなどの不遇に際し、つい下を向いてしまう人は、陰惨な地縛霊のような顔つきになってしまうかもしれません。そうなれば、ますます採用から遠ざからざるをえないでしょう。

駆け引きに勝つか負けるか。就活に成功するか失敗するか。微笑みがその人の「人生の時間」を左右するのです。時間をいいものにするか悪いものにするかは、その人次第、微笑み次第。地獄極楽は胸三寸にあり、なのです。

ニコニコすることは、いわば運を引き寄せる行為。自分をパワースポット化する行為といってもいいです。

時間の使い方で、最近、私がとりわけ浪費だと感じているのはデジタル・ツールです。私自身はインターネットもスマートフォンも一切使いません。確かに、検索やメールは便利な機能ですが、それは思索の時間を奪うことでもあります。自分の頭で考えたり感じたりするのをサボれば、当然、脳が退化してしまう。デジタル・ツールもまた正負の法則に支配されているのです。

仕事中の空き時間や通勤時間など、みな一様にデジタル・ツールを手にしますが、もう少し自分自身と向き合う時間にしてはいかがでしょうか。

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