行く先が見えない今のご時世に、結果を出している人がいる。彼らはいざというときに力を貸してくれる「自分だけのとっておき」のグッズやスポットを持っていた。
最後はブランドプロデューサーの藤巻幸大さん。アイテムは「パールのブレスレットとカフス」である。5年前、伊勢志摩の真珠養殖場で働く人と知り合った。次のような宝石言葉の存在に興味を持ち、以来、ずっと身に付けているという。
宝石言葉として、例えば白真珠には「守護神」の意味がある。これは、母の貝に守られて育ったことに由来している。同時に白真珠には、「疲れた体を癒す」「ストレスを取り除く」という意味も。そして、もう1種類の黒真珠には「静かな力強さ」「邪気を払う」という意味があるのだそうだ。
「真珠を身に付けることで、心を整えて仕事ができるようになれば、自分も開運体質になるかなって(笑)。そんな遊び心がスタートでした。もちろん、努力なしに開運グッズだけで成功しようとするのは虫が良すぎるのはわかっていますよ」(藤巻)
真珠にこだわった理由はもうひとつある。低成長が続く今、金などの高級ジュエリー人気の陰で真珠は厳しい競争を強いられている。品質は折り紙付きなのに、その良さが知られていない。何とかできないか……。
「真珠業界復活のお手伝いをしたくなったんですね。なぜなら、真珠業界が元気になれば、最初に地元の地域が活性化し、やがてそれは周囲の地域にも波及し、日本全体が元気になる。みんなが盛り上がってハッピーになれば、最終的に自分もハッピーになれる。これは近江商人の『三方よし』だと」(藤巻)
真珠が本来持っている「開運性」にファッション性をプラスすることで、「幸せ」は回っていく。藤巻さんはそう考えたのだ。
「今こそ『三方よし』の精神を発揮して、ビジネスシーンでもさりげなく真珠を身に付けてもらえるようになれば、『幸せ』はどこかでせき止められることなく、日本の隅々まで広まっていくはずだと思っています」(藤巻)
開運グッズも、それに対する思いも四者四様。要は自分の考え方次第。信じる者は救われる。あなたにとっての、あなただけの開運グッズを決めてみてはどうだろう。ここ1番の踏ん張り所で力を与えてくれるかもしれない。
藤巻さんの開運グッズ
●パールの「ブレスレットとカフス」
ブレスレット、カフスともブランドは「Oviri(オヴィリ)」。白真珠と黒真珠が付いている。伊勢丹などの百貨店でも取り扱っている。ブレスレットの紐部分がブルーなのはラッキーカラーだから。メガネのフレームだけでなく靴、靴下までこだわる徹底ぶり。黒は運気を下げるとして、「ネバーブラック」(できるだけ黒を身に付けない)を心がけている。
1960年、東京都生まれ。上智大学経済学部卒業、伊勢丹、福助、セブン&アイ生活デザイン研究所、イトーヨーカ堂などを経て、現在、シカタ代表取締役、テトラスター代表取締役。