2013年12月11日(水)

「ネット新時代は銀行不要」の現実味【2】 -対談:津田大介×古市憲寿×田原総一朗

新しい日本のチカラ

PRESIDENT 2013年12月16日号

村上 敬=構成 宇佐美雅浩=撮影
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牛丼チェーンは日本型福祉の1つ

【田原】ところで、会社員の多くはつまらないと思って仕事をしているのに、なんでみんな辞めないんだろう。

【古市】サラリーマンのほうが楽だからじゃないですか。組織に委ねていれば、将来のことを考えずに済むし。

【田原】でも、つまらないと思いながら仕事するのもつらい。会社員だと、今のような働き方しかできないのかな。

【津田】最近、ある企業の勤務体系に感心しました。その企業は業績が落ちて人件費を抑制しなくちゃいけなくなったのですが、リストラはしたくない。そこで週5勤務を週4にして給料を20%カットするかわりに、副業禁止規定をなくした。つまり週休3日あるから、好きなように副業やバイトをしてもいいというわけです。これはワークシェアリングの一種。企業社会でなかなかチャレンジができずストレスを溜めている人にとって、この制度はいい回答になるんじゃないかと。

【田原】追い出し部屋より、ずっといい。

【津田】そうです。休みの3日間はバイトしてもいいし、NPOで社会貢献したり、次に進むために資格の勉強をしたっていい。さっき古市さんがいったような自称写真家も、これならやっていけるかもしれない。その中で手ごたえがつかめれば、独立や転職という選択肢も現実的になります。

【古市】それは、一生勉強して成長することを求められるわけですよね。それはそれで耐えられない人も出てきそう。

【津田】いや、休みの日はボーッとしたいなら、それでもいいんです。稼ぎが落ちても、困ったらすき家があるし。

【古市】なるほど、すき家はいいですよね。牛丼やファストフードのチェーンは、じつは日本型の福祉の1つだと思います。北欧は高い税金を払って学費無料や低料金の医療を実現しています。ただ、労働規制が強く最低賃金が高いから、中華のランチを2人で食べて1万円くらいかかっちゃう。一方、日本は北欧型の福祉社会ではないけれど、すごく安いランチや洋服があって、あまりお金をかけずに暮らしていけます。つまり日本では企業がサービスという形で福祉を実現しているともいえる。

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