私たちは、チャンスに恵まれるときもあれば、不運な目に遭うときもある。
会社員であれば、希望しない部署への異動や転勤がある。会社そのものが倒産することもあるかもしれない。プライベートでは家族の病気も不運であるし、事故に遭うこともある。こうした逆境や苦難は、誰でも避けたいものだ。
だが、不運に遭遇したとき、これをどうとらえるか。じつは、そこが億単位の年収を稼げるか、ミリオネアになれるかの試金石なのだ。
どのような出来事であれ、「起こったことは、すべて自分のせい」と考えられる人は、不運をチャンスに変えられる人である。
私は、それをある顧客から教わった。
東海地方で医療法人を経営するY理事長だ。
Y理事長は、大学の医学部で学び、勤務医生活を経て独立。独立した3年後には在宅医療を中心とした介護サービス会社を立ち上げ、NPO法人も運営している。
現在のY理事長の年収は、1億7000万円。
こう聞くと、開業医の家系と思う人もいるだろうが、父親は銀行員である。医者とはいえ、ゼロからの出発でこの年収なのだ。
私がY理事長から教わった話とは、次のような内容だ。
起こった不運を他人のせいにする「他責」と、自分のせいだと考える「自責」でいえば、1億円以上を稼ぐ人の思考の根底には、つねに「自責」がある。
社員を雇っている経営者であれば、100パーセントが自分の責任と思える人でなければ、とてつもない年収を稼ぐ人にはなれない。もし1度は稼いだとしても、とてつもない年収を稼ぎ続ける人にはなれない。
たとえば社員にやる気がないという問題や、社員が休みがちという問題が起こったとする。その場合でも、それは、そういう境遇しか与えられない経営者の責任だ。