理解し合える「同族」を選びたい

話を結婚と学歴の問題に戻しましょう。それは上記で言った通り、お墨付き効果に加え、今や東大も文系は3割が女性という程の「女性の高学歴化」も、女性が結婚相手にそれなりの学歴を求めることを後押ししているのではないでしょうか?

人は自分と違う種類の人間と接する時、妙に構えて、不安になりますよね?

なぜなら、相手のリアクションが、自分の範囲内で想像できないからです。だから、どう接したらいいか分からない。そんな理由から、日本人はいつまでも外国人が怖いし、男は女が分からず、女も男が分からず、取りあえず嫌いだとかバカの一言で片づけたり、無視したりする。

結婚相手くらい、せめてすんなり理解できそうな同族を選びたい。だから、自分と同じくらいの学歴を求めてしまう、という論理構造が働くのではないでしょうか。

ただ、自分の理解の範囲を超えているというだけで、人間関係を限定してしまうのは、田舎臭く、みっともないものです。

似たような男女がくっついていたら、階層の固定化が進むだけで、世の中、ちっとも楽しくなりません。

高学歴女子はもっと、多様な男性に目を向けたらいいのに……と心から思う。その一方で、自分が若い女性に男性を紹介する時は、「あの人、あなたと同じ。慶應の経済出ててね……」と説明する自分がいる。そう、私は偽善者。イヤな話ですね。

佐藤留美
1973年東京生まれ。青山学院大学文学部教育学科卒。出版社、人材関連会社勤務を経て、2005年、企画編集事務所「ブックシェルフ」を設立。20代、30代女性のライフスタイルに詳しく、また、同世代のサラリーマンの生活実感も取材テーマとする。著書に『婚活難民』(小学館101新書)、『なぜ、勉強しても出世できないのか? いま求められる「脱スキル」の仕事術』(ソフトバンク新書)がある。東洋経済オンラインにて「ワーキングマザー・サバイバル」連載中。