「ASIMO」は秋葉原で練習中

「この願いかなうその日まで」(コスプレイヤー=みるる、撮影=YU-SUKE)

秋葉原をIT産業の世界的な拠点にするため、東京都の再開発計画によってJR秋葉原駅前に整備された一帯が「秋葉原クロスフィールド」です。その一角に、本田技研工業(ホンダ)が開発した人型2足歩行ロボット、ASIMOの基地、「studio ASIMO」があります。そこでは、各地で行われるイベントに向けて動作を練習するASIMOの姿を見ることができます。「studio ASIMO」には、ASIMO開発当初の構想イメージ画が展示されています。そこには、人間と楽しそうに会話をしながら、たくさんの荷物を抱えて階段を上るロボットが描かれていました。日常生活の中で活躍するロボットを考えた時、家具の間を行き来したり、階段を上ったりと、あらゆる場所を移動するには、人間のような2足歩行が最適だとホンダの開発チームは考えたそうです。

1990年代、私が米国に留学をしていた時に通っていた大学院には、ロボット研究所がありました。私はその研究所で、日立製作所、NEC、安川電機などの当時ロボット研究を進めていた日本企業に、米国人の学生や研究者をインターンとして送り込むコーディネーターのアルバイトをしていました。当時の日本はすでに、産業用ロボットの分野では世界一の市場シェアを持ち、ロボット工学において最先端技術を誇っていました。ロボット研究所で行われていたのは、自分で動くことができる自律系2足歩行ロボットの研究でした。ロボットに歩かせるくらい簡単じゃないのかと、素人の私は不思議に思っていたのですが、当時はまだ自律系2足歩行ロボットは実現できていなかったのです。

1996年、ホンダが世界で初めて自律2足歩行を実現した人型ロボット「P2」を発表します。これが後のASIMOにつながります。2000年に誕生してからもASIMOは進化し続け、2005年には時速6kmで走ることもできるようになりました。10年ほどの間に、2足歩行ロボットの技術は驚くほどに進化したのです。