9月の安倍内閣改造・党役員人事で幹事長就任が有力視されていた二階俊博自民党総務会長代行が、幹事長候補から脱落した。自民党二階派会長の二階氏は、200兆円もの国費投入を計画する「国土強靭化総合調査会」の会長で“新土建王”の呼び声高い実力者。今回の参院選でも、“裏の幹事長”として自派の河村建夫選対委員長と手を携え、候補者選定などで事実上、選挙を取り仕切った。

そこで参院選大勝を受け、安倍氏が“犬猿の仲”の石破茂氏を幹事長から外し、二階氏を据えるとの観測が流れていたのだ。だが、参院選で自民党が歴史的な大勝を収める中、二階氏が推した候補はあえなく落選、面目を失ったのだ。

「二階派で落選中の金子善次郎元代議士を比例区の候補に押し込んだが、自民党で最下位当選の太田房江氏が7万7000票取ったのに対し、わずか3万5000票たらずで当選ラインにはるかに届かなかった。また小泉進次郎青年局長が“党の70歳定年制に抵触する”として擁立に強く反対した佐々木洋平元代議士を比例区に押し込んだのも二階氏。二階氏は佐々木氏を“余人に代えがたい”と安倍首相に直談判してごり押ししたが、5万6000票であえなく落選した。また二階派の大江康弘元参院議員も落選。同じく落選したタレントの伊藤洋介氏も二階氏と近かった」(自民党関係者)

二階氏の失態は比例区に留まらない。今回の参院選で、自民党は選挙区(1人区)で、岩手と沖縄県以外は全勝したが、岩手選挙区で自民党の田中真一候補が落選したのも二階氏の責任だ。

というのも、二階氏は自民党の田中候補がいるにもかかわらず、民主党を離党した無所属の平野達男元復興相を半ば公然と支援。その結果、平野氏が当選して田中氏は落選の憂き目を見た。

「二階氏は、当選後に平野氏を自民党に入党させるつもりだったが、石破幹事長は『ありえない』と否定している。二階派は現在、自民党内で第五位の弱小派閥。そこで二階氏は、参院選を通じてなりふり構わず勢力拡大を目指したが、失敗に終わった」(全国紙政治部長経験者)

二階氏の線が消えたことで、石破幹事長の留任はほぼ確実に。内閣改造も小幅に留まる見通しだ。