消費者庁が改善要請

この逆として、ロースの場合は、サーロインやリブロースを期待して注文をしたところ、赤身の安価な部位が出てくるケースがあります。このため、消費者庁が全国焼肉協会に対して、モモやランプをロースとして表示するのは「景品表示法違反」に当たるとして、表示の改善要請をしています。

しかし、全ての焼肉店で表示改善が行われたかというと、そうではないように見受けられます。

誤解を生まないための正しい表示と、伝統的に扱われてきた名称の整理が、消費者に向けて行われることは望ましいのです。

「化学調味料」の正体

化学調味料とは、グルタミン酸ナトリウム、イノシン酸ナトリウム、グアニル酸ナトリウムなど、旨味を刺激する物質を人工的に精製した調味料です。

スーパーなどで売っている「味の素」や「ハイミー」などが代表的な化学調味料です。

これらは、料理に旨味を与えると同時に、味のバランスを整えてくれるので、家庭はもちろん、飲食店でも使われていたりします。

スプーンですくったグルタミン酸ナトリウム
写真=iStock.com/Gam1983
化学調味料は飲食店でも使われている(※写真はイメージです)

かつてはポジティブなイメージのあった「化学」という言葉は、徐々に「体に良くなさそう」というイメージに変わったことで、現在は「化学調味料」ではなく「うま味調味料」という言葉が使われるようになりました。