※本稿は、和田秀樹『60歳からはやりたい放題[実践編]』(扶桑社)の一部を再編集したものです。
「異変があったらすぐ病院に行く」はよろしくない
病院や医者との付き合い方は、人によって行動や考え方が分かれるところです。
ちょっと熱が出ただけで病院に行く人がいれば、多少体調が悪くとも「自力で治してしまおう」と市販薬で症状を和らげようとする人もいます。
病院へ行くべき基準は明確には存在しませんが、私自身は、なんでもかんでも異変が起きたから病院へ行くという考え方は、あまりよろしくないと思っています。
病院に行くデメリットはいくつかあります。
その一つが、「ストレス」です。
多くの人は、病院の長い待ち時間や度重なる検査につらい思いをしています。
検査結果を待っている間、「もし生死に関わる病気だったらどうしよう」とヒヤヒヤする。検査で異常値が出るたびに、自分の生活習慣にドキリとする。人によっては、医者の上から目線の意見に反発を感じることもあるでしょう。こうしたストレスにさらされることは、病院で診断を受ける大きなデメリットにちがいありません。
薬を飲むことで体調を崩してしまう人もいる
その他、病院で処方される薬による副作用も、ばかにはできません。
高齢者になると、体のどこかしらに不具合が出てきます。すると、医師はその不具合を治すために薬を何種類か処方するので、必然的に飲む薬も多くなります。
ただ、薬は、何かしらの副作用が必ず発生するものなので、多数の薬を飲み続けた結果、体調を崩す人や本来の調子を取り戻せなくなる人もいます。しかも、多くの人は「薬は体に良いものだ」と思い込んでいるので、その不調が薬の影響だと気付かず、再び体調が悪いことを理由に病院へ行き、その症状を抑えるためにまた新しい薬をもらう……という悪循環が生まれてしまうのです。
薬を飲んで不調を起こしているなら、まずやめてみることもぜひ検討すべきです。
もちろん医師の言葉どおりにしても良いのですが、残りの人生を好きに生きたいと考え、医者の言葉を気にせず、思うように生きるのも一つの選択です。ご自身にとってよりストレスが少ない決断を、選んでください。