【CASE3】身なりに構わなかった妻がしていたこと

「もっと早く手を打っていれば、今ごろこんなことにはならなかったのかも……」と悔やむのは会社員のRさん(39歳)。

10年前に結婚した会社員の妻(39歳)とは結婚2年目に子供を授かったが、その後、約7年間セックスレスの状態が続いている。

「妻には申し訳ないのですが、出産に立ち会ってからというものなんだかショックでそういう気持ちが起こらなくなってしまった。出産を機にセックスレスになる“産後クライシス”っていうやつでしょうか……」

出産前は、「間を空けずに2人目もできたらいいね」と話し合っていたとのこと。Rさん自身も「出産後の妻からも『そろそろどうかな』とせっつかれてはいたのですが、僕のほうが『仕事で疲れたから』『明日の朝は早いんだ』と何回か続けて断ったんです。どうやらそれが妻を傷つけたらしく、以降は二度とセックスに関しては何も言ってこなくなりました。でも正直な話、求めてこない妻に対し、ホッとしている自分がいました」。

そんなRさんが、妻の様子が変わったと感じたのは1年ほど前だ。

「もともと妻は着るものにもこだわりがなく、メイクもほぼしないナチュラル派。マスク生活がスタートした時も、不便を感じるどころか『堂々とすっぴんで会社に通えるようになってラッキー』と喜んでいたくらい。ところが、1年前あたりから『身だしなみに気をつけるようになったんだな』と感じるようになったんです」

当時、Rさんは妻の変化を、「仕事が好きな妻のことだから、育休が明けて職場復帰できたからいきいきとしているのだろう」と気にもとめなかった。ところが、最近になって久しぶりに会った友人から「奥さん、前と比べてずいぶんキレイになったね。心配じゃないの?」とやんわり指摘され、はじめて「もしかして、妻は浮気をしているのか?」と気がついたのだった。

「とはいえ、『小学生の娘だっているし、妻はそういう恋愛に奔放なタイプではないはず』と、にわかには信じられませんでした」

妻の浮気に関して否定的だったRさんが、「やっぱりクロに違いない」と確信したのは、約4カ月前、出張に行く前の晩、自分のパジャマを取りに夫婦の寝室に入った時のことだった。

「寝室にあるドレッサーの前で、足の指に赤いペディキュアを塗っている妻の姿を見てドキッとしました。『そういえば、前回の出張前も足の爪を赤く染めていたな』と。同時に『誰に見てもらうためのペディキュアだろうか』と考えたら、自然と妻には浮気相手がいるのだなと確信しました」

赤いペディキュアネイルの女性の足
写真=iStock.com/Galina Kiseleva
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そんな気持ちをそのまま明かすと、妻の手はピタリと止まった。口ではごまかしても動揺を隠せなかった妻は、ただ「ごめんなさい……」と言ったという。その後は、互いに口を利かない冷戦状態だったが、意外な結末が待っていた。

「それから半月もたたずに、妻と娘は出て行きました。身勝手な行為に怒りがわいてもおかしくないのですが、そんな感情はありませんでした。ずいぶん前から妻を女性として見ることをしなくなっていたことを後悔するばかりです」