いまコンビニなどで「ニンニク」や「マシマシ」というキーワードを使ったカップ麺やチルド麺が増えている。なぜ増えているのか。ラーメンライターの井手隊長は「コンセプトの“わかりやすさ”が商品開発のハードルを下げたのでは」という――。
醤油ラーメン
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「巣ごもり」でカップ麺の売り上げ増

今年3月以降、インスタント麺やカップ麺の売り上げが大変好調だ。3月のJAS生産量の種別内訳は、袋麺(インスタント麺)が前年比18.2%増、カップ麺8.1%増となっている。日清食品ホールディングスが5月に発表した今年3月期の連結決算を見ると、純利益が293億円(前期比51%増)となり、2期ぶりに過去最高を更新している。

カップ麺の新商品が毎月多数発売される中、ひときわ目を引くのが「ラーメン二郎」のラーメンにインスパイアされた“二郎系”のカップ麺である。

「ラーメン二郎」は港区三田に本店を構える黄色い看板が目立つラーメン店で、濃厚な豚骨醤油スープに極太の麺、その上に盛られる野菜の山に大きな豚肉が特徴の激盛りラーメンの代名詞的な存在である。近年では「ラーメン二郎」に影響を受けた「二郎インスパイア系」が各地にオープンし、ブーム化している。

カップ麺業界にもその動きは見られ、昨年末に話題を集めた「日清のどん兵衛マシマシ篇 ガチ豚ニンニク」の発売を皮切りに、カップ麺売り場に黄色いパッケージの新商品が多数現れる現象が起こっている。