
「地元愛」を武器に。千葉県出身シェフ5人が集まった理由
千葉県が抱えていた課題は、「国内屈指の食材供給拠点にも関わらず、その強みがきちんと伝わっていない」というものでした。そこでまず着手したのが、情報発信の核となる「オール千葉チーム」の結成です。
集まったのは、千葉県出身で都内の一流レストランを率いる気鋭のシェフ5人。日本料理「豪龍 久保」の久保豪シェフ、フランス料理「ラ・ボンヌ・ターブル」の中村和成シェフ、イタリア料理「メログラーノ」の後藤祐司シェフ、中国料理「オン・ザ・テーブル・チャイニーズ」の平賀大輔シェフ、スペイン料理「エマン」の小林悟シェフです。表参道の名店で腕を磨いた後、独立するや瞬く間に評判店へ押し上げた実力派の久保シェフ、YouTubeチャンネルの登録者が6万人を超える中村シェフなど、それぞれの分野で名をあげる実力者ばかりです。
単に知名度で選んだわけではありません。生まれ育った郷土への愛着と関心を持つメンバーを選定した点が、プロジェクトの熱量を高める鍵になりました。視察前、平賀シェフは「千葉の食材は一部で使っていますが、自分の知らない逸品があるはず。どんな食材に出合えるか、楽しみです」と語っていたといいます。
畑で「甘い!」の声。現地視察で生まれた“生きた”インスピレーション。
2026年1月中旬、結成されたシェフチームは房総半島の生産現場を巡りました。訪れたのは、いすみ市・大原漁港の「大原産天然トラフグ」、長生郡一宮町の「長生トマト」、長生郡白子町の「ながいき葉たまねぎ」「ながいき葉にんにく」の産地です。
葉たまねぎの畑で採れたてを一口かじったシェフから「甘い!」と驚きの声が上がるなど、現場は始終熱気に包まれました。
長生トマトを試食した平賀シェフは「果肉がしっかりしていて、昔ながらのトマトの香りがします」。生産者秘伝の醤油漬けを味わった小林シェフは「生産者さんがどうやって食べているのかを知りたいと思っていたのですが、この醤油漬けは薬味として使える。いいヒントをもらえました」と、早くも料理へのインスピレーションを膨らませていました。

視察後には、千葉県知事公舎へと場所を移して試食会と意見交換会を開催。視察した野菜やトラフグに加え、千葉が誇る「元気豚」「かずさ和牛」といった畜産品、また「銚子つりきんめ」「富津漁協江戸前白ミル」「勝浦釣り寒マカジキ」「夢あじ」といった極上の水産品、さらに紅はるかを使った干し芋など、多彩な食材と対面。熊谷俊人千葉県知事を交えた熱い意見交換会では、プロの視点から「県産食材をさらに磨き、全国へ発信するための提言」がなされ、生産者・行政・トップシェフの間で、今後のブランディングに向けた強固な関係と「何をどう訴求すべきか」の方向性が共有されました。

至高の一皿が次々と。2000食を完売した「ちばの食 満喫フェア」
現地で生まれたひらめきと信頼関係は、2026年2月15日から3月14日までの1カ月間、5名のシェフがそれぞれ率いるレストランにおいて、特別料理フェア「ちばの食 満喫フェア 2026 早春」で形になりました。
久保シェフは大原産天然トラフグを葉にんにく香る唐揚げに、中村シェフはかずさ和牛の稲藁焼きに、後藤シェフは白ミル貝のリゾットに、平賀シェフは白ミル貝と葉にんにくの中華炒めに、小林シェフは銚子つりきんめをカナリア諸島伝統のモホピコンソースで――。それぞれの得意分野で“至高の一皿”を仕上げ、期間中に提供されたフェアメニューは合計2000食を突破。
注文者には抽選で「かずさ和牛のローストビーフ&ハンバーグ」などが当たるプレゼント企画も実施し、多くの人に「千葉の食材はこれほどおいしいのか」という驚きを届けました。

dancyuWEBとシェフ自身のSNSで、千葉の“物語”を全国へ
フェアと並行して、その熱気を全国に届けたのがメディアの力です。「dancyuWEB」のタイアップ記事では、高品質なビジュアルと文章でメニューの魅力を発信。シェフ自身のSNSでも、視察ツアーの様子や自ら考案したフェアメニューが熱量高く投稿されました。
dancyuというメディアの信頼と、トップシェフ個人が持つ厚いファン層。この二つを掛け合わせたことで、千葉の食材が持つ独自の“ストーリー”は、フェア会場に足を運べなかった読者にも深く浸透していきました。
フェアが終わっても、仕入れが途切れない理由
今回の「千葉県・料理を通じた県産農林水産物の魅力発信事業」がもたらした最大の成果は、一時的な話題づくりでは終わらなかったことです。その理由は、施策の順番にあります。
フェアで提供された料理は、資料や写真だけを見て選ばれた食材ではありません。シェフ自身が産地に足を運び、生産者と顔を合わせ、自分の舌で選び取った食材です。視察の段階で生まれたのは、単なる取材関係ではなく、生産者とシェフが直接つながる商取引の“回路”そのものでした。だからこそ、フェアが終わって特設メニューが外れた後も、あらためて営業をかけ直す必要がないまま、各レストランは千葉県産食材の仕入れを続けています。生産者にとっては、都内の一流店という“太く持続的なパイプ”が新たに生まれたことになります。
あわせて、メディアとシェフの実力を融合させたことで「千葉は食材の宝庫である」というブランドイメージが確立され、生産者と行政がトップシェフの知見を相談・活用できる体制も整いました。
貴自治体・企業の課題も、“dancyu総研”が解決します
こうした”仕入れが続く”ブランディングを可能にするのが、食の総合メディア「dancyu」が持つ圧倒的な食の知見、全国のトップシェフや生産者との強固なネットワーク、そして熱量の高い読者組織です。これらを掛け合わせ、課題抽出からイベントの企画・運営、WEBでの情報発信までをワンストップでプロデュースできるのが「dancyu総研」です。