※本稿は、和田秀樹『60歳でリセットすべき100のこと』(永岡書店)の一部を再編集したものです。
夫婦関係は“つかず離れず”がいい
定年後の夫婦が、お互いに神経をすり減らしながら暮らすことになるか、自由にのびのびと暮らすことができるかは、二人の距離のとり方次第です。そこで、これからは「つかず離れず婚」にシフトすることをおすすめします。
相手のことに干渉せず、それぞれ好きなように生きていく。自立した関係を築き、必要な時は支えあう。お互いが心地いい“つかず離れず”の距離をとる生き方です。
「つかず離れず婚」を実践するにあたってのポイントは、
●相手と物理的に距離をとること
寝室を分ける、週末だけ別居する、別々に外出する機会を増やす、長期の旅行に出て「プチ家出」をするなど、顔を合わせない時間をつくりましょう。
●相手に接する時間を短くすること
一緒に買い物に行かない、一緒に食事をしない、起床・就寝時間をずらすなど、夫婦で行動する時間をなるべく減らすようにしてみましょう。
●相手に何も期待しないこと
勝手に期待して裏切られると、怒りがわいてきてストレスになります。相手に何も求めなければ、気がラクになるでしょう。
●いざという時は相談できる間柄でいること
定期的に対話する時間をつくっておくと、相談もしやすいでしょう。
こうしてほどよい距離感を保てると心に余裕が生まれ、相手への思いやりや感謝の気持ちも芽生え、穏やかに結婚生活をまっとうできるでしょう。
自分の子どもに同居を提案されても同居はしない
子どもは親が70代後半になったあたりから、また、自分の子育てが一段落した頃に、「そろそろ親と同居をしたほうがいいかも」と考えはじめるようです。
いくら親のことが心配だから、介護施設に入れるのは忍びないからといって、一緒に住むかどうかを決めるには慎重にならなければなりません。
同居は実の親でもうまくいかない、といわれています。原因のひとつには、認知症の初期症状で怒りっぽくなる高齢者もいて、同居家族がストレスを抱えてしまうケースがあります。
一方、高齢者の「幸福度調査」によると、中途同居をした高齢者の幸福度は低い傾向にあることがわかっています。親のほうも同居家族に不満を感じていたり、気を遣いすぎたりしているのでしょう。
また、もともと離れて暮らしていた子どものところに呼び寄せられた場合、慣れない環境や人間関係に苦労するのかもしれません。
一度関係がこじれると、修復するのは簡単ではありません。どうしても心配なら、せめて近くに住むという選択をするのが正解かもしれません。親と話しあって、見守りサービスを利用するのもひとつの手でしょう。
また、自分の子どもに同居を提案されても、一緒に暮らすのはやめておきましょう。自分の親であれ子どもであれ、配偶者の親であればなおのこと、同居はしないほうが結果的にお互いのためになります。
良好な関係でありたいのなら、親子の間にも適度な距離感が必要なのです。
苦手な人やイヤな人とは縁を切る
定年までは仕事関係で苦手な人やイヤな人ともつきあわなければならず、どうつきあっていけばいいか頭を悩ませていたことでしょう。
また、友人関係にしても、年齢を重ねるなかでお互いの価値観が変わったり、人生のステージが変わったりすることで関係性も変化するもの。
人生の節目を迎えたら、一緒にいるとストレスを感じる人や、何だかしっくりこない人とつきあうのはやめましょう。そもそも誰とでもうまくやっていかなければいけないわけではありません。
「お世話になった人だから」「長年のつきあいだから」などと仕方なく、義務感だけでつながっている人間関係はストレスがたまる一方で、心身の健康にもよくありません。そんな関係は思いきって切り捨ててしまいましょう。
急に連絡をとらなくなると不要なトラブルが生じることもあるため、最初は距離を置くようにするといいでしょう。
例えば、相手から連絡があってもすぐに返信をしない、誘いがあっても適当に断る、集まりに参加したとしても短時間で中座するなど。あなたの反応が悪ければ、相手も声をかけづらくなるはずです。
新しい人間関係にエネルギーを注ぐ
どのみち、もうつきあわないのだから嫌われてもいいではありませんか。それで自然消滅しなければ、一切連絡を断ってもいいかもしれません。
不要な人間関係が整理できると、新しい人間関係にエネルギーを注ぐことができます。60歳からの人づきあいは、自分が心地よく楽しめる関係だけを維持しましょう。無理をしてイヤな人間関係を続けるくらいなら、孤独であるほうがよっぽど気楽なものですよ。
