※本稿は、「プレジデントウーマン」(2017年9月号)の特集「幸せなひとり時間」を再編集したものです。
率直に『できません』『こうしてもらえませんか?』
▼プレジデント ウーマン読者アンケート
もし、もっと自由時間が取れたら、何をしたい?
1位:旅行・街歩き:73.7%
2位:キャリアアップの勉強:55.5%
3位:新しい趣味を始める:34.2%
4位:マッサージ・エステなど:33.1%
5位:睡眠・休息:32.5%
※複数回答
35歳で課長に昇進。もともと責任感が強く、何でも背負い込みがちだった藤本千尋さん。年上の男性部下を持つプレッシャーの中で、がむしゃらに働き続けた結果、ついにダウン。入院・手術を受けることに。
「そこまで辛い思いをしてやっと、キャパをオーバーしている仕事をきちんと断り、自分の要求や頼みごとを相手にきちんと伝えられなければダメだと思ったんです」
多方向のリサーチの結果たどり着いた手法が、アサーティブコミュニケーション。土日と会社の補助金制度を利用して基礎講座を受講。ワークを通じて「本当の自己主張というのは、自分が言いたいことを言葉のボールにして、相手とキャッチボールしながら問題を解決していくことだ」と痛感したという藤本さん。
「自分を主語にして誠実に話し、率直に、役職を超えて対等に話す大切さはもちろん、『できません』『こうしてもらえませんか?』と言わなかった自分の責任についても痛感する貴重な2日間でした」
主観の入らない客観的な事実と、それについて思うこと、相手に対する実現可能な要求を誠実に伝えること。アサーティブ(自己主張)の基本である「事実、感情、要求」ができるようになると藤本さんの仕事環境は激変。がむしゃらでもない、無理もしない。でも、コミュニケーションは円滑で、きちんと要求できる。藤本さんの周辺は笑顔であふれ、その様子を見ていた部下や同僚、関連会社の社員らが「どうやったら上手にコミュニケーションが取れるのかを教えてほしい」と聞くほどに。
適切な自己主張で人生はうまく回り始める
その後、藤本さんはトレーナーとしての資格を取得し、社内のドメスティックWEBサイト上で、アサーティブについての連載をはじめることになった。
「『何でわかってくれないの!』と憤ったり『しかたがない』と諦めるのではなく、適切な自己主張をすることで、少しずつうまく回りはじめるんです。週末の学びが人生を変えてくれました」
アサーティブ ジャパン
アサーティブコミュニケーションのマインドとスキルを伝えるための講座を開催。基礎講座では、「頼む」「断る」などのテーマでアサーティブの基礎力を養う。
マーケティングリサーチ会社 スタッフ部門(アサーティブジャパン会員トレーナー)
リサーチ会社で管理職に就き、アサーティブを学ぶ。トレーナーの資格を取得後は、社内でもアサーティブを伝える講座やWEB連載を開始。