話し上手、PR上手、段取り上手で、イザというときの対応もバッチリ! 仕事ができる印象のある広報の皆さんが日々心がけていることとは? どの部署でも活かせる知恵満載です。

投稿したくなるようなイベント開催やグッズ作成を心がけています
●サイバーエージェント 全社広報室 PRマネージャー 上村嗣美さん

(左)サイバーエージェント 全社広報室 PRマネージャー 上村嗣美さん(中)同社のキャラクターabema(アベマ)くんを施した水は来客に配布。(右)「たべっ子どうぶつ」とabemaくんがコラボ。拡散したくなること必至!

ここ数年の変化ですが、メディアへの売り込みを考えるとき、そこに出した情報がどれくらい拡散されたかを見るようになりました。

当社のグッズを作るにしても、写真映えを大切にします。単に社名やキャラクターが入っているだけではSNS等にアップしたくはなりませんので、オリジナリティーや、他社がやっていない工夫を考えています。プレスリリースやコーポレートサイトなどで発信する情報も、SNSにアップしてもらいやすく、拡散されやすいようにという視点を取り入れて作成しています。

今はもう「1個人、1メディア」の時代。ソーシャルメディアを通じて個人が情報を発信することができますし、誰もが「編集者」になれますので、プレスリリースやコーポレートサイト上にも、皆さんがより使いたいと思える写真や素材を出していくことを意識しています。

当社では、役員や幹部もSNSを使って情報発信をしていますが、内容について事前チェックはしていません。過去に「炎上」なども経験しましたが、会社の事業や経営にいちじるしく損害を及ぼすことでなければ、「炎上」ではないと思っています。投稿した意見や表現にネガティブな反応があったとしても、それは役員にとっても本人が学んでいくべきところです。会社の規模が大きくなり、また社会でのインターネット業界の果たす役割や存在感も増してきていますが、会社の中にいると意外とそうした感覚が希薄になりがち。感覚を養う意味でも、発信したことへのレスポンスから学んでいくことは大きいと思います。

入浴中も、リアルタイム検索で業界の動きをチェック!
●ライフネット生命保険 営業本部 マーケティング部 広報グループ グループリーダー 関谷 誠さん

(左)ライフネット生命保険 営業本部 マーケティング部 広報グループ グループリーダー 関谷 誠さん(右)ライフネット生命 出口会長のツイート

ヤフーのリアルタイム検索で「ライフネット生命」と社名を入れると、ツイッターで一般の方が当社に関してつぶやいた内容や、メディアの方が取り上げてくれた記事が、ある程度網羅できます。グーグルのニュース検索も同様にチェックしていますね。「生命保険」で検索すると、他社さんが出したニュースリリースや、メディア情報などが把握できます。この2つは、通勤時間も、お風呂に入っている時間も(笑)、頻繁にチェックしています。

当社では、役員もフェイスブックやツイッターをやっているので、お互いにフォローしあって、週末も含めて発言内容をチェックしています。危機対応に近い部分がありますが、広報だけでなくマーケティング部全体で確認しあって、もしも不適切な投稿があれば、週末でも連絡を取りあって対応を相談します。

個人でもツイッター、フェイスブックをやっている社員が多く、会社の情報を拡散してくれています。とても協力体制ができている会社だと思いますね。社内では、1年に1回くらいの頻度でSNSの研修を行い、利用上の最低限の注意を共有しています。

当社の公式ツイッターは、マーケティング部の社員が担ってくれているのですが、契約者から直接問い合わせがくることもありますし、ファンの方や、そうでない方からもコメントがつくこともあります。でも、なるべく返信をしていますね。会長の出口も同じです。SNSなどを使うことでいろいろな出会いやつながりが増えてくる。当社のような小さな会社には欠かせないツールです。

上村嗣美
サイバーエージェント 全社広報室 PRマネージャー。1978年生まれ。法政大学在学時、設立2年目(社員数30人)だったサイバーエージェントと出合い、入社。社長秘書を経て広報へ。広報部門の立ち上げに携わり、2008年より広報責任者。14年に出産し、15年より復帰。
関谷 誠
ライフネット生命保険 営業本部 マーケティング部 広報グループ グループリーダー。1979年生まれ。レストランチェーンでブライダル事業などを担当。広告代理店へ転職し、企業に対するデジタルマーケティング戦略の企画・提案に従事。2008年ライフネット生命保険にウェブプロモーション担当として入社。