小さな努力で大きい効果のある習慣だけを集めてみました。新年の新たな挑戦として、簡単なものから始めてみましょう!仕事のはかどりを実感できるはず。

段取り&ムダ取り1:一日をデザインする

「残業するくらいなら、始業時間前に“前業”しましょう! そのほうがトータルの労働時間が短くなります」と言う税理士の木村聡子(あきらこ)さん。

木村さんは働きながら税理士資格の勉強をしていましたが、夜の勉強は時間が無限にあるような気がして、たるみがち。そこで早起きして出勤前に勉強するスタイルに変えたところ、「もうすぐ会社に行かなければ」という締め切り効果が生まれ、時間を有効に使えるように。

朝はまだ脳が疲れておらず、一日のうちで最も頭がさえた時間帯。定時より早く出勤する“前業”ならオフィスも静か。しかも「あれ、どうなってる?」と聞かれる前に自分から報告のメールをしたり、仕事の準備をしたりすることで、自分のペースで仕事を進められると、いいことずくめ。「朝の1時間は夜の3時間にも匹敵するのです」(木村さん)

▼前業を始める(※)
いきなり始発で出勤しても、無理はなかなか続きません。いつもより10分早く出社できたら次は30分早く、次は1時間早く……と、徐々に体を朝型に慣らしていきましょう。

▼前業の4ステップ

(1)10分早く出社
●今日やることの棚卸し
(2)30分早く出社
●今日やることの棚卸し/交通費清算などの事務仕事
(3)1時間早く出社
●今日やることの棚卸し/事務仕事/15分清掃/先手必勝の仕事
(4)始発で出社
●電車で読書/今日やることの棚卸し/事務仕事/15分清掃/先手必勝の仕事/クリエイティブな仕事

▼本業・投資・メンテナンスの黄金比を意識する
一日の割り振りは「本業5時間:投資5時間:メンテナンス5時間」というように、自分なりのバランスを意識して。「仕事ばかり」「遊んでばかり」の予防に。
本業:自分がやらねばならない目の前の仕事
投資:習い事や資格取得。人脈や仕組みづくりなども入れてOK
メンテ:友人と遊ぶ、マッサージに行くなど

段取り&ムダ取り2:自分の行動のログをとる

一日をデザインする際に役立つのが“記録”すること。

「スケジュール帳の横に“実際はどうだったか”という記録を残すといいですよ。ログをとることで、自分が普段どんなふうに時間を使っているか把握できます」(木村さん)

スケジュールとログを比較してみると、予定通りにいかないことの多さに愕然(がくぜん)とするはず。でも記録を続けることで、「この仕事は3時間で終わると思っていたのに、4時間かかっている」と、正確な所要時間が見積もれるように。「午前中は快調だが、午後はダレる」といった自分の癖もつかめ、効率のいいスケジュールが組めるようになります。

イラスト=Qoonana

▼スキマ時間にやることを決めておく(※1)
ログをとると個々の作業の所要時間が判明。「5分あれば電話ができる」というように日頃から“◯分でできる仕事”をリストアップしておき、スキマ時間を有効活用。

▼突発的な仕事に対応する時間を入れ込んでおく(※2)
ログをとれば不測の事態の発生頻度や処理にかかる時間もわかってきます。木村さんは12分×5回分の突発的な仕事への対応時間を事前に抑えているのだそう。

▼自分の癖を知り、スケジューリング
ログをとることで、自分の調子のいい時間帯がわかってきたら、それに合わせた予定を立てるのが◎。
たとえば……
午前は調子がいいけど、午後はダレてしまう
▼改善!
午後に、好きな仕事、ボーッとしてもできる仕事を入れる

▼「Toodledo」で自分の特徴を把握、最適のスケジュール&To Do管理ができる!(木村さんオススメ!)

【Toodledoのここがすごい】
やるべきことに期日やタグ(顧客名など)を割り振ることができる
今日やるべきことをタイムリーに提示
個々のタスクにかかった時間の計測ができ、予定をこなせなかったときの原因分析に便利
目の前のことに集中できる
タスクを片付けるごとにチェックボックスをクリック。達成感が味わえる
タスクに情報を書き加えて管理ができ、マニュアルやチェックリストとしても活用可能

段取り&ムダ取り3:「探しもの時間ゼロ」を目指す!

仕事を始めたいのに、必要なものや書類が見つからず、探しているうちに早くも30分経過……。こんなことで時間を浪費するのはもう終わりにしたいもの。

「毎日15分だけ、片付けと掃除の時間と決めて実行しましょう。ただし掃除はやりすぎても、やらなすぎてもダメ。掃除は達成感はあるけれど、あくまでも仕事ではないので、もっとやりたくなっても15分でストップして。最初はタイマーをかけるといいですね」(木村さん)

モノは作業効率と動線を考えて置き場所を決めて。ほかの仕事で使うものは目に入らない場所に置くと気が散らず、集中できます。

パソコン内の探しものも、ファイル名を統一しておけば、検索するだけですぐ見つかるように。

イラスト=Qoonana

▼一日一捨て(※1)
一日に1つ不要品を捨てていけば、1年後には365個のモノを減らせる。「今日は何を捨てようか」と考えるときに、必要なものがどこに置いてあるかも頭に入るので、探す時間のさらなる短縮にも。

▼動線を意識したデスクまわり(※2)
モノの置き場所は動線を意識して。左手で使うものは左側、右手で使うものは右側に置くと、最小限の動きで取れる。

▼左右の配置(例)
(右側でやること)筆記、急ぎのメモ/マウスの操作/ハサミ、カッターを使う/お茶を飲むときに器をもつ/ゴミを捨てる/書類などを仮置きする
(左側でやること)固定電話の受話器を取る/スマホを取る/資料をめくる、参照する

▼ワゴンの中段は空にしておく(※3)
引き出しが3段あるなら真ん中は常に空にしておき、「今日やる予定だが、今は関係ない」仕事の資料などを入れておきましょう。作業中、視界から隠すことで集中できます。

▼迷子にならないファイル名の付け方
検索で見つかりやすいよう、ファイル名はすべて「プレウー(株)イベント出席者リスト161219」などのように、「顧客名+文書の内容+日付」で

▼データを捨てるルールを持とう
作業のたびにファイルを上書きするのではなく、ファイルの名前を変えて保存。完成したらファイル名に「Fin」をつけ、それ以外のファイルは削除します。

木村聡子
税理士。1991年、法政大学法学部卒。働きながら税理士試験合格。開業して超多忙な中で試行錯誤をし、労働時間を大幅削減。空いた時間をセミナー講師やブログ執筆にあて、年収は倍増。著書に『あなたの1日は27時間になる。』。