凝り始めるといくら時間があっても足りないのが、パワーポイントによる資料作り。今回は、時間をかけすぎずに見やすい資料を作るために、気をつけたいポイント3つを紹介します。

熊野整『外資系投資銀行の資料作成ルール66』(プレジデント社)

1回目2回目は、見やすいエクセル表の作り方を説明しました。3回目となる今回は、パワーポイントについてです。

パワーポイントの資料作成は、とにかく時間がかかるものです。フォントを整えて、グラフを挿入して、図形を並べて……と、凝り始めるとキリがありません。たっぷり時間をかけて、きらびやかなプレゼン資料を作成した結果、逆に伝えたいポイントがボケて分かりにくいプレゼンになってしまった、という残念な話も多々見かけます。資料作成に使える時間は限られていますから、できるだけ効率的に進めたいものです。

今回は、ちょっとした工夫でパワーポイントが見やすくなる3つのポイント、「図形」「色」「ロゴ」について解説します。

ポイント1:パワポ資料を見やすくする「図形」

たとえば売上の成長をアピールしたい場合には、矢印で目立たせるとよいでしょう。色も明るめにすると分かりやすいです。ただ、このような明るい色の矢印は、あまり大きすぎるとやや品に欠けるので、小さめの矢印で十分ですね。

また、グラフの「ここを見せたい」というポイントは、円でぐるりと囲むと分かりやすくなります。

ポイント2:パワポ資料を見やすくする「フォント色」

あなたはパワーポイントで資料を作るとき、すべての文字を黒色で書いていませんか? 文字色は黒、というのはもちろん基本ですが、黒い文字がダラダラ並ぶとメリハリが出ないものです。

たとえば以下のスライドでは、プロフィールを説明しています。このプロフィールは「学歴」「職歴」「資格」の3項目に分かれていますが、【悪い例】の場合、どこからどこまでが職歴なのか、よく見ないと分からないですよね。

資料にメリハリを付けるには、【良い例】のように、項目名だけ色を変更してみましょう。グッと見やすくなります。

ポイント3:パワポ資料を見やすくする「ロゴ」

ぎっしりと文字が詰まったプレゼン資料というのは、なかなか読む気にならないものです。文字をできるだけ少なくする手段としてお勧めなのが、会社名やサービス名にロゴを使う方法。

文字の代わりにロゴを使うことで、目を引く資料になり、キャッチーな印象を与えます。良い例の図は、サービス名をロゴに入れ替えたものです。これはロゴ画像を挿入して作成しています。

以上3回にわたり、見やすい資料をつくるテクニックをご紹介してきました。書籍『外資系投資銀行の資料作成ルール66』では、“伝わる”資料を作るための、エクセルやパワーポイントのテクニックをたくさん解説しています。もっと詳しく知りたいという方は、ぜひ本をご覧ください。

熊野 整(くまの・ひとし)
ボストン大学卒業後、モルガン・スタンレー証券投資銀行本部に入社し、大型M&Aや資金調達プロジェクトをリード。退社後はグロービス経営大学院にてMBAを取得。その後、エムスリー株式会社に入社し、事業責任者として事業計画の立案から戦略遂行までを行う。現在はスマートニュース株式会社にて、財務計画として収益計画の策定や資金調達を担当。「グローバル投資銀行のエクセルスキルを分かりやすく伝えたい」というモットーの下、2013年10月から週末や平日夜に個人向けエクセルセミナーを開催し、いまや年間3000人以上が受講する大人気セミナーになっている。企業研修も数多く開催し、多くのビジネスパーソンに収益計画の作成指導を行っている。初の著書『外資系投資銀行のエクセル仕事術』(ダイヤモンド社)は、エクセルブームの火付け役にもなり、ヒットを記録した。

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