たまに早起きしてもついダラダラしてしまうという相談者の津川さん。起床時間と出勤時間を変えずに運動や勉強を取り入れるには、どのように習慣を変えればいいのでしょうか? 習慣化コンサルタントの古川武士さんが、解決策をアドバイスします。
早起きしてもあっという間に時間が過ぎてしまいます……
【津川】いまは6時に起きてお弁当を作り、朝ドラを見て、8時15分に出勤という流れができていますが、たまに早起きしてもついダラダラ。勉強や運動をしたいと思いながら、なかなか実行に移せません。
【古川】いまの流れが習慣になっていますね。そもそも習慣を変えるときは何となくではダメ。どう変わりたいか、どういうスケジュールにするか見える化しないと、結局いつものパターンになってしまうんです。なので一回、理想のスケジュールを紙に書いてみてください。それで試しにやってみて、感情を検証してみる。快感や達成感を味わうと、それが習慣を変えるモチベーションになってきます。
【津川】何かポイントってありますか?
【古川】時間をいじるのは、大掛かりなので、津川さんの場合はいまの時間帯のまま、前倒しするなど効率化して時間を生み出すといいでしょうね。それから習慣を変えるときはひとつだけ。まずはひとつ始めて、慣れてきたら次のステップに移るといいですね。
Before:津川さんのとある朝時間
6:00 起床、体重を測る、お風呂&洗濯機ON
6:15 お風呂、スキンケア
6:45 朝ごはんとお弁当を作る、洗濯物を干す
7:15 朝ごはん、テレビを見る
7:45 出勤準備
8:00 朝ドラを見る
8:15 出勤
古川先生の診断:ついついダラダラ病
【症状】
・余裕を持ちすぎて朝からダラダラしてしまう
・朝起きると、ついテレビをつけてしまう
・実行に移すきっかけがつかめない
【診断】
余裕を持って動く習慣のある方なので、朝時間を生み出すのはそう難しくないでしょう。勉強を習慣化するカギは行動をゼロにしないこと。毎日5分でも行動することが重要です。
先生の教えをもとにいよいよ実践!
【9月3日】理想のスケジュールを紙に落とし込んでみる
さっそく現状と理想のスケジュールをそれぞれ紙に書いて見える化を実行。お弁当の下ごしらえと朝ごはんのジュース作りを夜に回せば、起きる時間を変えなくても英語の勉強タイムを45分間確保できるとわかる。その報告と勉強を長続きさせる秘訣(ひけつ)を聞くために古川先生にメール。「勉強という行動が当たり前になっていけばいいので、まずは5分でもOK。それから楽しんでやることが大事」とのお返事が。
【9月6日】試行錯誤した結果、最適な英語勉強法を発見!
英語を口に出さずに書き続ける、CDを聞きながら文を追いかける……、いろいろな勉強方法を試した結果、テキストを見ながら口に出すのがいちばん楽しいと感じる。週1で通う英語教室の復習を中心に勉強。習いっぱなしじゃなくなってうれしい。
【9月10日】15分という細切れの時間を意識するように
勉強時間を確保するためにほかを短縮していることから、15分の時間を意識するようになってきた。これまでは朝起きたらすぐにテレビをつけていたけれど、自然にしなくなってきた。昼間の仕事も効率的になってきたみたい。
【9月15日】勉強は順調、今度は運動も取り入れたい
無理なく続けられているので、次は少し早起きして運動を取り入れたいと先生にメール。「習慣化は一度にひとつが原則。まずは早起きをMUST習慣に。英語だけ1時間、あるいは英語と運動で1時間、ここはWANT習慣にすることがポイント」とお返事がくる。
【9月22日】早起きはどうにかできても夜早く寝るのが難しい……
アドバイスどおり早起きに重点を置いて実践するも、前日に30分早く寝るのは大変。まずは早起きに慣れつつ、運動は毎朝5分でもやっている! という実感を残すように頑張りたい。
After:津川さんの朝時間を見直したら……
●英語の勉強をスタート!
6:00 起床、体重を測る、お風呂&洗濯機ON
6:15 お風呂
6:30 スキンケア、洗濯物を干す
6:45 朝ごはんとお弁当の用意(下ごしらえは前の晩)
7:00 朝活(英会話)
7:45 出勤準備、朝ごはん
8:00 朝ドラを見る
8:15 出勤
古川先生から一言
これからも、いまのペースで頑張ってください。基本は毎日行動。なるべく記録をつけて、できない日もベビーステップで小さく踏み出すこと。MUST習慣は、絶対に守ることが大切です。
習慣化コンサルタント。習慣化をテーマにしたコンサルティング会社を設立し、独自の理論を確立。著書に『人生の主導権を取り戻す「早起き」の技術』など。