エゴマ、米、ココナッツ……さまざまな植物油が注目される中、和食との相性がよく、使い勝手もよいのがオリーブオイル。ミス・ユニバースの公式栄養コンサルタントとして、知花くららさんなどミス・ユニバース日本代表の食生活を指南してきたエリカ・アンギャルさんの、美と健康に効くオリーブオイル活用法に迫ります。
オリーブオイルは飲む美容液!?
オリーブオイルは今や日本の台所の常備品。パスタやマリネはもちろん、ちょっとした炒め物などにも風味がよくて質感が軽やかなオリーブオイルを愛用している方も多いだろう。でもサラダ油などに比べるとかなり割高なのも確か。毎日使うのは躊躇(ちゅうちょ)する……という人も多いのではないだろうか。
ところが、そんなオリーブオイルを、今改めて強く薦めている人物がいる。ご存知、『世界一の美女になるダイエット』の著者、エリカ・アンギャルさんだ。知花くららさんや森理世さんなど、ミス・ユニバース日本代表の「美しくなる食生活」を指南し、ファイナリストまで導いた美のエキスパートだ。
「きれいな肌になりたい、体重を減らしたい、美しくなりたいなら、まず最初にすべきことは、今使っている全ての油を“良質の油”に変えることです」と、『Believe in Olive Oil(ビリーブ・イン・オリーブオイル)』(オリーブに関する国際機関「インターナショナル・オリーブ・カウンシル」の、オリーブオイルをより深く理解してもらうための啓発キャンペーンサイト)のインタビューページで語っている。
エリカさんの言う、“良質のオイル”とは、ずばりオリーブオイルのこと。さらに、「オリーブオイルのことを、私は“最強の美容液”だと思っています」と続ける。「化粧品にお金をかける日本人の女性が“食べる美容液”に投資しないのはとても残念」なことだとも。
オリーブオイルが健康によい、ひいては美容によいとはよく聞くが、その効果には改めてどんなものがあるのだろう。香川県産業技術センター発酵食品研究所によると、オリーブについて報告されている主な機能性としては、ざっと以下のようなものがある。
抗酸化性、悪玉コレステロール低下作用、動脈硬化の予防、抗菌性、便秘の改善・大腸ガンの抑制、炎症の抑制、血糖値の改善、血圧降下作用、骨の形成促進……。
むむ、あれもこれも、中年期を迎えて以来、日々気になっている症状ばかり。自分自身の美容と健康の維持にはもちろん、パートナーや両親のケアにも使えそうだ。
さらにオリーブオイルの主要成分は、オレイン酸、ポリフェノール、ビタミンE群、ベータカロチン、スクワレン、カロテノイド、オレオカンタールなどなど。まさに飲む美容液だ。
アメリカ食品医薬品局も認めるオリーブオイルの効用とは?
中でも、オレイン酸の含有率は、天然植物油の中でもトップクラス。オレイン酸は、不飽和脂肪酸の中では最も酸化しにくい脂肪酸で、体内で過酸化脂質の生成を抑えてくれる。これが、発ガンや動脈硬化の抑制など、さまざまな効能につながる。
アメリカ食品医薬品局(FDA)では、1日の総摂取カロリーを変えずに、肉などから摂取している脂肪(飽和脂肪酸)のうち、大さじ2杯をオリーブオイルに置き換えると、冠動脈性心疾患のリスクを低減する可能性がある、と正式に認可している。
エリカ・アンギャルさんも、前述のサイトにて、1日大さじ1~2杯のエキストラバージン・オリーブオイルを摂ることを薦めている。さらに、エリカさん流の正しいオリーブオイルの選び方として以下のように語っている。
「まず“エキストラバージン・オリーブオイル”であること。ポリフェノールやスクワレンが豊富です。肌を紫外線や環境ダメージから守り、肌を若々しく保つ働きをしてくれる成分です。そして、選び方のポイントは2つです。遮光性の瓶であること。コールドプレス(30℃以下で搾油したもの)であること」
日本在住20年になるエリカさんは、伝統的な和食とオリーブオイルの組み合わせは、最高のアンチエイジングフードだとも語っている。忙しいワーキングウーマンにとって、これほど手軽に取り入れやすい健康法はないかもしれない。毎日2匙のエキストラバージン・オリーブオイル生活、始めてみませんか。
■協力:インターナショナル・オリーブ・カウンシル「Believe in Olive Oil」