積立なら投資も悪くない
「株価が下がっていて怖い~!」
昨年から投資を始めた圭子(仮名・47歳)から、そんなLINEが入りました。
圭子の言うとおり、年明けから連日、株価が下落。年末に1万9033円だった日経平均が、1月22日には1万6958円と、2000円以上も値下がりしています。ドキドキ、ハラハラしているのは、圭子だけではありませんよね(筆者も同じです)。
とはいえ、投資では、安く買って高く売ることで利益が得られますから、株価が下がったときは投資のチャンスと考えることもできます。
それが積立投資ならなおのこと。
筆者はもう何年も、日本株に投資する投資信託を積立購入していますが、株価下落の状況でも、継続していくことを決めています。
積立購入は、毎月一定の額で、買えるだけの口数を、継続的に買っていくもの。価格が下がっている月には買える口数が多くなり、先々値上がりしたときには、口数が多い分だけ、より大きな利益を得ることができます。
下がったときに買うのはなかなか勇気がいりますし、さらに下がるというリスクも伴います。しかし、積立投資なら、ストップをかけない限り続けることができ、長期で続ければ、挽回のチャンスもあるのです。
安全確実がいいなら地方銀行のネット定期
「積立購入は続けてもいいと思うよ」と話すと、圭子も納得してくれたよう。とはいえ、まとまった資金の運用には困っている様子です。
「株は怖いわ。元本保証があって、なおかつ有利なものってないの?」
……そんなのないわ! と言いたいところですが、実はそうでもありません。
たとえば「地方銀行のネット支店の定期預金」。
地方では人口減少などによって預金が減っています。そこで地方銀行がインターネットで取引する支店を開設し、そこで扱う定期預金に高めの金利をつけて、全国から預金を集める取り組みが進んでいるのです。
現在、都市銀行の1年定期に100万円預けると金利は0.025%(税引前。2016年1月25日現在。以下同)、ゆうちょ銀行では0.035%ですが……。
●愛媛銀行・四国八十八カ所支店/100万円限定だんだん定期預金
●香川銀行・セルフうどん支店/超金利トッピング定期預金
●高知銀行・よさこいおきゃく支店/よさこいおきゃく定期
●トマト銀行・ももたろう支店/スペシャルきびだんご定期預金
……なら、0.4%です。
金利は都市銀行の16倍。
100万円を1年間預けた場合の利息は、0.025%では250円なのに対し、0.4%では4000円です。
かなり大きな違いですよね。
万が一のときも預金は守られる
圭子は「身近でない地方銀行にお金を預けて大丈夫?」と不安そうですが、定期預金は預金保険の対象。銀行に万が一のことがあっても、元本1000万円とそこにかかる利息は保護されます。
預金する際の手続きもそれほど面倒ではありません。
各銀行のホームページで申し込み、郵送などでやりとりすれば口座開設ができ、届いたキャッシュカードで資金を入金し、ネットで定期預金に振り替えるだけです。
入金は銀行が提携する金融機関の中から、無料で利用できるところを選べばコストもかかりません。セブン銀行、ゆうちょ銀行など、身近な金融機関と提携していることが多いので、銀行選びの際にはこの点もチェックするといいでしょう。有利に運用するには、コストを抑えることも重要です。
定期預金は固定金利型ですから、低金利の今、長期のものに預けるのはご法度。1年定期で様子を見るのが適しています。
定期預金の多くは自動継続なので、満期が近づいたら、継続しても有利な運用ができるか、ほかの金融商品と比べて見劣りしないかなどを検討しましょう。
長期なら変動金利型の個人向け国債
なるべく手間をかけたくない、という人は、変動金利型の商品を選ぶのも手です。
たとえば「個人向け国債」の「変動10」。1万円から購入でき、金利は半年ごとに見直されます。10年満期ですが、発行から1年以上経過していれば、途中で売却しても元本割れしません。
毎月発行しており、2月発行分(募集は1月29日まで)の金利は0.17%です。
銀行や証券会社などで購入できますが、金融機関によっては、現金プレゼントなどのキャンペーンを行う例もありますから、要チェックです(ただし、取引する金融機関を増やし過ぎると管理が大変なので、そのあたりも考慮して)。
1989年よりライターとして活動。資産形成、投資信託、住宅ローン、保険、経済学などが主な執筆テーマ。