自分のホルモン状態を知ることが、“キレイ”になるための第一歩。まずは日常生活のなかで気になる症状をチェックしてみましょう。

BEAUTY

□最近、髪のパサつきや抜け毛が多くなってきた
□肌にハリがなくなり、ほうれい線がくっきり! 目元のシワもなんだか気になる
□爪にタテ筋が! すぐに欠けたり、割れやすくなった
□気づけば、急にシミが濃くなり、目立つ……
□肌がなんとなくくすみがち。ツヤもなくカサカサ……
□フェイスラインのニキビがなかなか治らない
□肌や頭皮がベタついてきた

イラスト=網中いづる

●肌や髪にうるおいがなくなったら要注意
「エストロゲンは肌や髪の代謝を促し、コラーゲンの産生を助けてくれます」(成城松村クリニック院長・婦人科医 松村圭子先生)。そのため不足すると、肌にツヤがなくなり、シワやシミもできやすく、髪もパサついて抜け毛が増える。プロゲステロンの作用が強く出ると、ニキビができやすくなる。

 
※エストロゲンとは……?
女性としての魅力を増し、妊娠しやすくするホルモン。肌や髪の新陳代謝を促し、コラーゲンの生成を助けることで、ハリやツヤを保つ。女性特有のボディラインをつくり、骨や血管の機能を維持する働きが。
※プロゲステロンとは……?
受精卵の着床を助け、妊娠を維持するホルモン。赤ちゃんのために水分や栄養をため込む役割が。皮脂の分泌を促し、腸の働きを抑えるため、優位になるとニキビができやすくなったり、便秘になることもある。

MENTAL

□「ほら、あれよ、あれ」と、モノや人の名前がパッと出てこない
□イライラして、なにもかもが腹立たしく感じる
□わけもなく落ち込んだり、悲しくなることがある
□忙しいのに、どうにもやる気が出ない
□集中力が持続しなくなった
□ベッドに入っても、なかなか眠れない
□自分に自信がもてなくなった

●女性ホルモンの変動で心と体が振り回される
エストロゲンには記憶力を保つ働きがあり、減少すると物忘れの原因にも。「エストロゲンが減ると幸福感をもたらすセロトニンも減り、生理前のイライラや落ち込む傾向も強くなりがちです」(松村先生)。自律神経のバランスもくずれ、やる気や集中力も低下。

HEALTH

□いつも疲労感があり、朝もスッキリ起きられない
□風邪でもないのに、よく頭痛がする
□体が冷えてしょうがない
□口が乾いて、食べ物がうまく飲み込めない
□スカートがきつくなり、体脂肪率も急増!
□なんだか足が太くなったような……
□食欲が増してきた

●自律神経に影響して不定愁訴が出ることも
女性ホルモンのバランスが乱れると、自律神経がつかさどる睡眠や消化機能にも影響。「体が快適でいるための調節がうまくできず、めまいや頭痛、冷えや疲れなどの症状が出ます」(松村先生)。エストロゲンはだ液の分泌にも関わるため、ドライマウスの一因に。

【糖分過多】糖分をとりすぎると血糖値の急激な変動が起こりやすくなる。イライラや不安を引き起こし、ホルモンバランスのくずれにつながる。
【運動不足】筋肉量が低下して、エネルギーを生み出せない。筋肉を動かすことで冷えを解消し、ホルモンバランスを整える効果もある。
【睡眠不足】睡眠とは脳の休養タイムで、睡眠時間が少ないと脳は疲弊する。脳に疲労がたまると体に悪影響を及ぼし、さまざまな不調が生じる。
【完璧主義】神経質で完璧主義の人は些細なミスやトラブルでも、過剰に自分を責めてしまいがち。負の感情を持ち続けると、体調不良を招く。
【ベジタリアン】動物性のタンパク質や脂質をとらないとホルモンの原料が極端に不足。ホルモンバランスがくずれて、肌や髪の状態も悪くなる。

ホルモンバランスを整えるために必要なのは、実はシンプルなことです。一日3食をバランスよく食べる、ぐっすり眠る、適度に運動する、冷えやストレスを解消する。そして何より大事なのは、とにかくリラックスすること。

一日のうちで、自分がちょっとした幸せを味わえる時間をもつことから始めてみては?

成城松村クリニック院長 松村圭子先生
婦人科医。若い世代の月経トラブルから更年期障害まで、女性の一生をサポートする頼れる診療で信頼があつく、アンチエイジングにも造詣が深い。TV、雑誌のほか、講演や執筆など幅広く活躍中。