迷いの多い20~30代、女性が仕事人生を豊かにするための仕事術とは。「ラゾーナ川崎プラザ」や羽田空港の「スタースイーツ」など、女性に人気の大規模商業施設を数多く手がけてきた商業コンサルタント・島村美由紀さんに、「仕事で認められる女性」になるための、自分を変える小さな習慣を聞きます。
仕事の前後まで意識できること、それが“気遣い”
「段取りよく仕事が進められる」人は、仕事に対するセンスがある人です。つまり、相手が喜ぶことを段取りよく言葉や行動に出せるようにならなければなりません。
では、どうすればいいか。
私は、「仕事で物事が動いたときは“鎖”をイメージして!」と言っています。
鎖とは、いくつものチェーンがつながってできたもの。1個の鎖をひっぱると、前と後ろが必ず動きますね。つまり、ひとつの物事が動いたら、前後も必ずくっついてくるので、前にあることと、後ろにあることを調整する必要があるということ。
たとえば「Aさんから電話があったから、Bさんにも伝えておこう」「会議のときに、もう1枚資料を付け加えておこう」というように、前後の動きに対してフォローすることを心がけるのです。
この習慣が身につくと、相手もそれなりの心づもりができるので常に気にかけてもらえたり、会議のときに納得のいく説明ができたりして、仕事がスムーズにはかどります。
仕事の優先順位を上手につけることによって、他の人よりも1歩先を行くことができるようになるのです。
一方、仕事のセンスがない人は、相手が望むときに望むものを差し出すことができません。せっかくいい情報を得たときにも、忙しいからといってほったらかし。先方にも伝えない。そのくせ、いざ物事が進み出すと、急に連絡をして先方を慌てさせる。こんな人は誰からも一緒に仕事をしたいと思われなくなってしまいます。
そうならないように、物事が動いたらその“鎖”の前後にどんなフォローをすべきか考えましょう。今相手が必要としているものは何かをくみ取り、仕事の優先順位を把握する習慣を身につけるだけで、仕事に対するセンスを格段にアップさせることができるのです。
最近、我が社の入社1年目のスタッフが、「念のために○○しておきました」「念のために報告します」と発言するようになりました。こうなると“しめたもの”。彼女もようやく鎖のイメージが持てるようになったからこそ、「念のため」が考えられるようになったのです。
※本連載は書籍『30歳から自分を変える小さな習慣』(島村美由紀著、プレジデント社刊)からの抜粋です。
商業コンサルタント。1956年、神奈川県川崎生まれ。雑誌・書籍の編集業務、シンクタンク研究員を経て、商業コンサルタントとして独立。株式会社ラスアソシエイツ設立、代表取締役就任。都市計画、商業施設計画、店舗業態開発などのコンセプトワークやトータルプロデュースを手掛け、大規模開発を成功させる。ラゾーナ川崎プラザ、羽田空港第1旅客ターミナルビル「スタースイーツ」など、実績は多岐にわたる。著書に『30歳から自分を変える小さな習慣 運を引き寄せる女性の6つの法則』(プレジデント社)(http://presidentstore.jp/books/products/detail.php?product_id=1713)がある。