仕事も予定もないのんびりした日は、なぜだかいつもより早く目が覚める。丁寧にいれたコーヒーとメープルシロップたっぷりのパンケーキで、特別な気分に浸ろう。スペイン広場でジェラートを食べる、オードリー・ヘップバーンよりも!

粉が変化していろんな形と食感になるのがお菓子づくりの魅力

朝はパン派だという料理家の桑原奈津子さん。仕事がない日には自分でつくった甘いものを食べながら、愛犬のキップルとのんびり過ごすのが大好き。専門はお菓子づくりで、なかでも“粉もの”には定評がある。

「粉がお菓子やパンに変わっていく様子を見るのはワクワクします。混ぜたりこねたりする感触も、気持ちいい」

好きが高じて、製粉会社で粉もの菓子の開発に携わっていた時代もある。そんな桑原さんのスペシャルメニューは、何度も試作を繰り返して理想の味に仕上げたというパンケーキ。

シンプルなパンケーキ

●しっとりふわふわの食感。幸せな休日の始まりです

「コツは生地のつくり方。混ぜすぎると膨らみにくくなるので、材料が混ざったらすぐに手を止めてください。そうすれば、ふっくら仕上がります」

ヨーグルト入りの生地なので、しっとりふんわり焼き上がる。数枚重ねたら、バターとたっぷりのメープルシロップをかけて食べるのがお薦め。焼きたてはもちろん、冷めてもおいしい。

●材料(直径約12cm・4枚分)
薄力粉……100g/ベーキングパウダー……4g/卵……1個/バター……25g
【A】牛乳……100ml/プレーンヨーグルト(無糖)……50g/砂糖……10g/メープルシロップ……適量
【下準備】バターは湯せんにかけて溶かす。

●作り方
(1)ボウルに卵を割り入れ、泡立て器でほぐす。Aを加えて泡立て器で混ぜる。さらに、バターを加えて混ぜる。
(2)薄力粉、ベーキングパウダーを合わせて1のボウルにふるい入れる。
(3)粉っぽさがなくなるまで、泡立て器ですばやく混ぜる。ダマがなくなったら、すぐに手を止めて。混ぜすぎは禁物。
(4)鉄製のフライパンを中火で温める。油がなじんでいないフライパンなら、サラダ油(分量外)を薄く敷く。十分に熱したら強めの弱火にして、1/4量の生地をお玉で流し入れる(a)。
(5)1分半~2分ほど焼く。生地のフチが乾き、焼き色がついたら裏返す(b)。
(6)裏面も同様の時間、焼き色がつくまで焼く(c)。焼けたら皿に重ね、バター(分量外)をのせ、メープルシロップをかける。
※フッ素樹脂加工のフライパンを使う場合は、油を敷かずに、表と裏面をそれぞれ約2分ずつ焼く。
パンケーキの焼き方

こんがり香ばしい匂いに包まれながら、できあがりを待つ時間は至福のひととき。休日の朝ごはんやブランチがちょっと特別になります!

桑原奈津子

大学卒業後、カフェのベーカリー、大手製粉会社の開発等を経て料理家へ。日々のごはん&キップルの写真をツイッターで公開中。著書に『パンといっぴき』(パイインターナショナル)、『「しっとり」と「ふかふか」生地がおいしいパンケーキ』(家の光協会)など。