バリキャリ女子は、初めから選ばれた人だと思っていませんか? でも多くは、めげたり迷ったりしながら、結果的にキャリアアップを図った人ばかり。その実例をお伝えします。

ビジネス情報が欲しい人と提供したい人をつなぐスポットコンサルティングサービスという独自の事業を立ち上げた端羽(はしば)英子さん。

ビザスク 代表取締役 端羽英子さん「おかげさまで1周年。これからもチームのみんなと前向きに成長していきます!」

新卒入社した会社では思いがけず妊娠がわかり、早々に退職。出産後間もなく再就職するが、今度は夫の留学に同行することに。ならばと、自らもMBAを取得したが、帰国する頃には離婚してシングルマザーとなっていた。

「人と違う道に進んじゃったなと(笑)。組織内でステップアップしていく自分が想像できず、自然と起業を考えるようになりました」

帰国後は投資ファンドで経験を積み、2012年にいよいよ独立。

そこからはダメ出しの連続だった。起業の専門家に、ビジネスプランのアドバイスをもらいに行くと「100%成功しない」と全否定され、ベンチャーキャピタルには「リーダーシップに問題がある」と斬り込まれた。

そのたびに、気合が入った。専門家のアドバイスの有益さに気付き、今の事業の発想が生まれた。経営者としての覚悟も固まった。

「何度も転職したので、人に教えを請うことに抵抗がないし、教えてもらえば素直に感謝できる。ましてや今はまったく未知の領域ですから、ダメ出ししてもらえると心からありがとうと思いますね」

【写真上】サービス開始から1周年記念のパーティーで。「これからもよろしくお願いします!」【写真右下】最近購入したお仕事用のバッグ。「1枚革で、丈夫そうなところが気に入っています」【写真左下】最近の癒やしはペットの「ポワロ」。「名前は娘がつけました」

厳しい指摘にもめげない。転んでもただでは起きない。持ち前のポジティブさを武器に、やりたいことはあきらめずに形にしてきた。

どんどん大きくなる目標に向かって、これからも全力疾走だ。

 BEFORE/AFTER 

●ストレスがなくなり、浪費しなくなった
●お給料は5分の1に
●人前で話すのがうまくなった


【ブラマンテ代表取締役 田島弓子さんから一言】
アクティブに行動して、着実に前進する。どんな壁にぶつかっても、端羽さんなら突破しそうです。厳しい指摘を素直に聞いて自分の仕事力に転化できる点も素晴らしい。新米経営者にとって本気でダメ出ししてくれる存在は貴重。そういう味方がつくれるのも彼女の力でしょう。周囲に支えられ、今後どんな活躍をされるのか注目したいですね。


ビザスク 代表取締役 端羽英子
1978年生まれ。2001年、東京大学卒業後、ゴールドマン・サックス証券、日本ロレアルを経て、マサチューセッツ工科大学でMBAを取得。投資ファンドに勤務後、12年に起業。

ブラマンテ代表取締役 田島弓子
1967年生まれ。成蹊大学文学部卒業。展示会主催会社などを経て、99年マイクロソフト日本法人に転職し、数少ない女性の営業部長として活躍。2007年から、キャリア支援などをテーマに、社員研修、セミナー、執筆活動に従事。