女性の平均年収は、男性のおよそ半分。同じ女性でも業界によって、あるいは同じ業界内でも企業によって給与は大きく異なる。気になるあの業界、あの会社の給与明細を公開する。
電気・精密
日本の年功的な賃金制度を代表する企業。その分、若手の基本給は高くない。日立製作所、パナソニックを見ても時間外手当などの諸手当のウエイトが大きいのが特徴。賞与も年齢に見合った平均的な金額だ。電機業界大手の賃金は上部の労働組合が同じとあって非管理職の組合員層は横並びが多い。年功と昇進で給与は上がるが、この富士ゼロックスの基本給は部長クラスに近い。
しかし、どの会社も平均年齢が高く「40代以降の社員が多いので、管理職は狭き門」(大手電機・人事)。また、富士ゼロックスは賃金制度を成果型に変更し、諸手当も削減。パナソニックも2014年10月から成果重視に変更するなど、年功賃金はなくなる可能性も。
自動車
日本を代表する自動車大手とはいっても、月給・賞与はごく平均的な水準。しかしトヨタと日産では人事制度は180度違う。トヨタが年功主義と終身雇用を堅持するのに対し、日産は年功を廃した欧米型の職務給。しかも「40代半ば~50歳で出向・転籍を迎える管理職がほとんど。役員にならない限り、定年まで働ける会社ではない」との社員の声も。
また、トヨタは定着率が高いが、日産は「転職者も多く、高い給与で外資にステップアップしていく人もいる」(人材紹介会社社長)。他の業界に比べて女性の管理職率は低く、目下、登用を積極的に推進中。そんな事情もあって、「実力が男性と同じであれば、女性が登用されやすい」(日産社員)のだそう。
※年間1700万人が利用する企業口コミサイト「キャリコネ」の協力で、各社の給与明細を掲載。