※本稿は、本田健『自分に聞いてみよう 人生を選び直す49の質問』(きずな出版)の一部を再編集したものです。
ふと立ち止まった時、心に浮かぶ思い
日々の生活の中で、ふと立ち止まる瞬間があります。
信号待ちのとき。
一人でお茶を飲んでいるとき。
夜、布団に入る前のひととき。
休日の朝、誰にも邪魔されない時間。
そんなとき、あなたの心の中には、どんな思いが浮かんできますか。それは、忙しく動いているときには、隠れている思いです。仕事や家のこと、目の前の用事に意識が向いているあいだは、その思いは姿を見せません。
「このままで、いいのかな」と感じる
でも、ふっと意識が空あいた瞬間に、するりと浮かび上がってきます。
「このままで、いいのかな」と感じる人もいます。
「なんだか、疲れたな」という思いが湧わいてくることもあります。
「あの人、いま、どうしているだろう」と、誰かの顔を思い浮かべるときもあります。
「楽しみなことがない」と気づくこともあります。
あるいは、何も浮かんでこない、という日もあるかもしれません。
どんな思いも、責める必要はありません。ただ、その思いが、ふっと浮かんでくる瞬間に、ちゃんと立ち会ってあげましょう。仕事や家のこと、目の前の用事に意識が向いているあいだは、その思いは姿を見せません。
人生に100%満足してない理由は何か?
まわりから見ると、あなたの人生は、まあまあうまくいっているように思えます。仕事も、家庭も、大きな問題は抱えていないかもしれません。まじめにやってきて、それなりの場所にたどり着いているのに、なぜか心のどこかに、満たされなさが残っている場合があります。
ドキッとして、心当たりのある人もいるでしょう。その満たされなさを口に出しても、まわりにはあまり理解されません。「贅沢な悩みだね」と言われたり、「みんな、そんなものだよ」と返されたりする。
だから、いつのまにか口に出さなくなります。でも、満たされなさは、消えてはいません。むしろ、口に出さないことで、自分の中に、より深く沈んでいきます。この満たされなさは、どこから来ているのでしょうか。
自分の内側の感覚が置き去り
多くの場合、原因は二つあります。一つは、「外側を整えることに、力を注ぎすぎた」ことです。まわりからちゃんとしているように見える人生をつくるために、たくさんのものを差し出してきた。その代わりに、自分の内側の感覚が置き去りになっています。外側は整っているのに、内側が空いている。その空白が、満たされなさとして表に出てきます。
もう一つは、「自分の本当の願いを、見ないようにしてきた」ことです。大人になる過程で、いろいろなことを諦めてきました。現実的に難しいからと、整理してきた願いがあります。いまの場所には、その願いの居場所がありません。
でも、忘れたものは、消えてはいません。心のどこかで、ずっと、そっと存在しています。満たされなさは、そのズレを、あなたに教えてくれているサインです。
「いまの自分には、もう少し違う選び方が必要だ」そう、伝えにきている感覚です。無視せず、そっと受けとってみてください。
この人生が10 年続いたら?
いまの生活をもう10年続けるとしたら、どう感じるでしょうか。仕事の内容も、人間関係も、毎日の流れも、おおむね今と同じだとします。そう想像してみたとき、自分の中に湧いてくる感覚を見るのです。
「まあ、これで十分」と感じる人もいるでしょう。その場合は、その感覚を大切にしてあげてください。
一方で、想像した瞬間に、呼吸が浅くなる人もいると思います。言葉にはならないけれど、胸のあたりに重さが残る。
「それは、ちょっとしんどいかもしれない」
そう感じたとしたら、それは、いまのあなたの正直な反応です。
1年や2年であれば、多少の我慢は続けられます。目の前のことを乗り越えながら、なんとか過ごしていける範囲です。
今の選択が10年後の自分をつくる
けれど、10年となると話は変わってきます。10年は、人生をつくってしまうような長さです。いま我慢していることを10年続ければ、それはもうちょっとだけの「我慢」ではなく、その人の生き方になります。いま後まわしにしていることを10年後まわしにしてしまえば、それはもう「いつかやる」ではなく、「やらなかったこと」になります。
からだも、気持ちも、人間関係も、10年あれば確実に変わっていきます。その変化の中で、いまの状態を引きずったまま進んでいきますか? それとも、どこかで少し方向を変えていくのでしょうか?
その分かれ道に、いま立っています。
今あなたがする選択は、10年後の自分をつくっています。全部を変える必要はありません。ただ、「このままでは、10年はもたないかもしれない」と感じた部分があるとしたら、そこに、これから動かしていく余地があります。
