洗濯機、乾燥機、内装工事代など初期投資に約1500万円はかかるが、マンション投資よりもお手軽なうえ、空き室の心配もない。ランニングコストも家賃、水道代、光熱費、清掃代くらい。さらに、2016年からスタートしている「中小企業投資促進税制」を利用する事で、30%~100%の償却が可能になっている。

「2018年度末までが売り上げ1億円以下、従業員1000人以下の個人事業主ならば、コインランドリーの機材を購入することで、7%の税額控除か30%の特別償却をすることができます。さらにその後はランドリーから安定した収益が上がってくるわけですから二重にうまみがあるわけです」(岡村氏)

共働き・子育て世帯の家事負担を軽減する

ここで読者は疑問に思うかもしれない。ほとんどの家庭には洗濯機や乾燥機がすでに普及しているから、コインランドリーなど必要なくなっているのではないかと。

しかし、そうではない。コインランドリーのニーズが拡大し続ける大きな要因のひとつは共働き世代が増えているということだ。

「1980年ごろにはほとんど専業主婦ばかりで共働き世代は本当にごく一部でした。ところが1991年ごろから両者の数は拮抗するようになり、1997年以降には共働き世帯がどんどん増えていった。そんな共働き世代を下支えするようなサービスとして中食や掃除代行、家事支援サービスなどがどんどん勢いを増しています。コインランドリーも共働き・子育て世帯の家事負担を軽減できるサービスとしてここ数年、ニーズが急拡大しているのです」(岡村氏)

1997年には1万739店しかなかった「コインランドリー」が毎年増加を続け、2013年には1万6693店にまで増加している(厚生労働省「コインオペレーションクリーニング営業施設に関する調査」)。

「現在では2万店ぐらいあるといわれています。ただ増加しているといっても毎年300~500ぐらい、供給不足で雨の日には順番待ちになる店舗も少なくありません」(岡村氏)

つまり増えているといってもまだまだ不足しているというのが実情なのだという。