日本の半導体メーカーが苦戦している原因が、人事マネジメントにあることを、私がかつてエルピーダメモリにいたときに気づいた。

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20年後、全員が無能に

DRAM(パソコンやデジカメなどに使われる半導体メモリ)が16メガから64メガに性能が上がると、工程は300から400ステップへ増加する。当時、1技術者だった私は、3~10工程を担当し、全体の工程がどうなっているかを知ることがなかった。256メガ開発のときに課長になり、部下に効率よく仕事をさせるために初めて全体工程を見た。すると、意味がわからない工程が3割以上あることに気付いた。そこで担当者に「この工程は何の意味があるのか?」と尋ねると「わからない。16メガのときにあったものだ」という答えが返ってきた。そして当時16メガを担当した部長に聞くと「4メガフローにあったから残した」という。