2013年5月30日(木)

小泉進次郎になぜ人気が集まるか

茂木 健一郎:世界一の発想法

PRESIDENT 2013年4月15日号

著者
茂木 健一郎 もぎ・けんいちろう
脳科学者

茂木 健一郎1962年、東京都生まれ。東京大学理学部卒業後、東京大学大学院理学系研究科物理学博士専攻博士課程修了。理学博士。第4回小林秀雄賞を受賞した『脳と仮想』(新潮社)のほか、著書多数。

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茂木 健一郎 写真=PANA
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先日、G1サミットという、若手経営者の集まりに参加してお話しさせていただいたとき、印象深いことがあった。

新進気鋭の政治家として注目されている小泉進次郎さんがいらしていて、親しくお話しさせていただいた。やはり、将来の「首相」の器だと確信したのだが、その際に気づかされたことがある。

人を惹きつける人、人望のある人とはどういう人か?

それは、「自分の言葉」を持っている人だと思う。世の中ですでに手垢のついた言葉ではなく、自分の人生の中でつかんだ、元手のかかった、いわば「体重」の乗った言葉を発することができるか。

これは、簡単なことのようで、実際には難しい。自分の言葉で語ることができる人が少ないからこそ、そのような人はこの世の中で「希少価値」を持つ。だから、人気が出る。

小泉進次郎さんがG1サミットにいらしたのは、ちょうど、元横綱の大鵬さんが亡くなって国民栄誉賞を受けられると決まった頃だった。そのことをとらえ、小泉さんは、大鵬さんの素晴らしさを称えたうえで、このようなことをおっしゃったのである。

「大鵬さんの国民栄誉賞は素晴らしいが、一方で、国民栄誉賞というものは、社会の片隅で、誰にも知られずがんばっている、無名の方に差し上げてこそ本当に意味があるのではないでしょうか。

もうすでに誰もが知っている偉大な方に、改めて差し上げるよりも、無名の方に差し上げたほうが、私は、賞の意義があるように思う。

昔の子どもたちは、巨人、大鵬、卵焼きが好きだと言われました。もし、大鵬さんに国民栄誉賞を差し上げるならば、巨人や卵焼きにも国民栄誉賞を差し上げなければおかしい」

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